伊藤乙次郎

伊藤 乙次郎の生涯

伊藤乙次郎（1866年12月2日 - 1941年3月27日）は、明治から昭和にかけて活躍した日本の海軍軍人であり、特に日清戦争および日露戦争において顕著な功績を残しました。彼は海軍中将の位を持ち、従三位、勲一等、功四級などの栄典を受けていました。

幼少期とキャリアの始まり

伊藤は旧尾張藩士の家に生まれ、愛知一中や攻玉社を卒業しました。1886年に海軍兵学校を首席で卒業し、翌年に海軍少尉に任官しました。日清戦争では、艦「比叡」の航海長として出征し、その能力を早くも発揮しました。

軍務における成績

防衛戦略や艦隊運営に関する教育を受けた後、彼は海軍大学校で丙種の学位を取得し、1897年に優等で将校科を卒業しました。その後、海軍省軍事課や軍務局において様々な役職を歴任し、特に「常磐」航海長や「須磨」副長としての役割で高く評価されました。

日露戦争とその後の進展

日露戦争時には台中丸乗組みや佐世保鎮守府付の軍務局先任局員として活躍しました。その後、艦「浅間」の艦長やドイツ大使館付武官を歴任し、1911年には海軍少将に昇進。水路部長や佐世保鎮守府の参謀長など、重要な職に就きました。

戦後の活動

1915年には海軍中将に昇進し、さらには呉工廠長や技術本部長として指導的役割を果たしました。1940年には予備役に編入され、その後、神戸製鋼所の社長および海防義会の理事長に就任し、財界でも著名な存在となりました。

晩年と死去

伊藤乙次郎は1941年3月27日に76歳で亡くなりました。彼の墓は青山霊園にあり、戒名は顕達院殿釈温存大居士で、宗教は浄土真宗とされています。

栄典と家族

伊藤は多くの栄典を受け、正八位から始まり、最終的には従三位にまで昇進しました。また、数々の勲章を受けており、1895年には勲六等瑞宝章と功五級金鵄勲章をもらい、1915年には勲二等瑞宝章、1920年には勲一等旭日大綬章を受けました。私生活では、加茂厳雄海軍機関中将の妹である静江と結婚しました。

参考文献

• - 復刻版　日本陸海軍総合事典　第2版（秦郁彦編、東京大学出版会）
• - 陸海軍将官人事総覧 海軍編（外山操編、芙蓉書房出版）
• - 日本海軍将官辞典（福川秀樹、芙蓉書房出版）

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