賀茂神社 (たつの市)

賀茂神社：歴史と自然が織りなす播磨の聖地

兵庫県たつの市御津町室津に鎮座する賀茂神社は、歴史と自然の息吹を感じさせる由緒ある神社です。本殿をはじめとする8棟の建造物が国の重要文化財に指定されており、その荘厳な姿は訪れる人々を魅了します。別名、室明神社とも呼ばれています。

神社の歴史は古く、平安時代には京都の賀茂別雷神社（上賀茂神社）の直系御厨（みくりや。神社に付属する荘園）の地となりました。この由緒ある土地柄を示すかのように、境内には見事なソテツの群落が広がっています。このソテツは、野生のものでは日本列島の北限とされており、兵庫県指定文化財にも指定されている貴重な存在です。

江戸時代には、著名な博物学者シーボルトも賀茂神社を訪れています。神社の参籠所から望む播磨灘の絶景を絶賛したという記録が残っており、古くから景勝地としても知られていたことが伺えます。

祭神と祭礼

賀茂神社の祭神は、賀茂別雷神（かもわけいかづちのかみ）と彦火火出見尊（ひこほほでみのみこと）です。

神社では、地域に根付いた伝統的な祭礼が今も大切に受け継がれています。主な祭礼には、4月に行われる「小五月祭り」と7月に行われる「夏越祭り」があります。「小五月祭り」では、県無形民俗文化財に指定されている「棹の歌」が奉納されるなど、独特の文化が息づいています。

文化財

賀茂神社の建造物は、その歴史的価値から数多くの文化財に指定されています。

国の重要文化財

本殿（元禄12年(1699年)建立。三間社流造）
摂社片岡社太田社本殿
摂社貴布禰社若宮社本殿
摂社榲尾社本殿
権殿
唐門
東回廊
西回廊

兵庫県指定文化財

* 賀茂神社のソテツ（日本北限の自生のソテツ）

これらの文化財は、神社の歴史と伝統を今に伝える貴重な遺産であり、日本の文化遺産として大切に保護されています。

アクセスと周辺情報

賀茂神社は、静かな自然に囲まれた場所に位置しています。アクセスは、山陽電気鉄道山陽網干駅から神姫バス「室津」行きに乗車し、「室津」バス停下車となります。

周辺には室津港、たつの市立室津民俗館、綾部山梅林、新舞子海水浴場、相生港など、観光スポットも多く点在しており、賀茂神社への参拝と合わせて、これらの場所を訪れるのもおすすめです。

歴史と自然、そして文化が融合した賀茂神社は、播磨地方を訪れる際にはぜひ訪れていただきたい、魅力あふれる場所です。

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