資生堂青春アワー

資生堂青春アワー：若者文化を彩った一社提供ドラマ枠

『資生堂青春アワー』は、1964年3月22日から8月30日まで、日本テレビ系列の日曜19:00 - 19:30（JST）に放送されたテレビドラマ枠の名称です。化粧品メーカーの資生堂が、一社提供していました。

歴史

資生堂は、1958年5月以降、『光子の窓』から始まる一連のミュージカルバラエティ番組を提供した後、1962年5月からはホームドラマ『ママちょっと来て』のスポンサーを務めました。そして、『ホラ、しあわせが』までホームドラマを提供していましたが、1964年3月、若者向けのドラマを放送する新たな枠を設けることになります。

この枠では、若手俳優を積極的に起用し、放送期間を約1か月サイクルとすることで、常に新鮮な話題を提供しようとしました。

番組のオープニングキャッチは、若い男女の映像に、アニメーションの手紙からタイトルカードが現れるというもので、斬新な演出が目を引きました。エンディングでは、若い女性3人が夜の銀座を歩き、そのうちの1人がバッグを開けると、資生堂のシンボルである「花椿マーク」が現れ、銀座の夜を彩ります。そして最後は、銀座にある資生堂本社ビルのネオンサインの花椿マークに重なるという、印象的なものでした。

1964年8月30日の『回遊魚』の放送をもって、『資生堂青春アワー』は終了しました。全5作品が放送され、資生堂一社提供の30分ドラマは、このシリーズが最後となりました。

放送作品一覧

信子（1964年3月22日 - 4月19日）- 原作：獅子文六
魔女の時間（1964年4月26日 - 5月17日）- 原作：司馬遼太郎
お嬢さん大学（1964年5月24日 - 6月14日）
男性無用（1964年6月21日 - 7月12日）- 原作：源氏鶏太
回遊魚（1964年7月19日 - 8月30日）- 原作：杉森久英

その後の資生堂提供枠

『資生堂青春アワー』の終了後、『光子の窓』から6年4か月続いた日本テレビの資生堂一社提供番組は、一旦中断しました。しかし、7年2か月弱後の1971年10月には、『資生堂・サンデーヒットパレード』として再開。この番組も、『資生堂青春アワー』と同じ日曜19:00 - 19:30の枠で放送されました。

その後、資生堂は『おしゃれ』（1974年4月 - 1987年4月）、『オシャレ30･30』（1987年1月 - 1994年6月）、『おしゃれカンケイ』（1994年7月 - 2005年3月）、『おしゃれイズム』（2005年4月 - 2021年9月）と、長きにわたり「おしゃれ」をテーマにした番組を提供し続け、現在では『おしゃれクリップ』（2021年10月 - ）が放送されています。

備考

『資生堂青春アワー』終了後、日本テレビの日曜19:00枠は、長らく音楽番組やバラエティ番組が中心となりました。次にドラマが放送されたのは、14年後の1978年4月2日開始の『スターウルフ→宇宙の王者スターウルフ』でしたが、これはよみうりテレビ制作でした。日本テレビ制作のドラマが放送されるのは、さらに後の1987年10月11日開始の『こんな学園みたことない!』となります。

参考資料

テレビドラマデータベース
* 資生堂宣伝史II 現代（1979年 資生堂刊行）

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