赤ちゃんは楽だね

トムとジェリー：赤ちゃんは楽だね

1956年5月4日に公開された『赤ちゃんは楽だね』(Busy Buddies)は、ウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラが製作・監督を務めたトムとジェリーの短編アニメーション作品です。本作品は、他のトムとジェリー作品とは一線を画す、珍しい特徴を持っています。それは、トムとジェリーが終始協力体制をとり、喧嘩をしないという点です。

物語のあらすじ

物語は、ベビーシッターのジニーが、ジョージ・ジョアン夫妻の赤ちゃんを預かる場面から始まります。しかしジニーは、夫妻が外出するとすぐに友人との長電話に夢中になり、赤ちゃんの面倒をみることを忘れてしまいます。

一方、トムとジェリーは、留守になった家をねずみ色の楽園ととらえ、台所で食料を物色し始めます。その最中、ハイハイで動き回る赤ちゃんを発見します。赤ちゃんはジニーが電話をしている間にベッドから抜け出したのです。

ここから、トムとジェリーは、赤ちゃんをベッドに戻そうと奮闘する物語が展開します。赤ちゃんは、いたずら好きな二人の策略にもかかわらず、次々とベッドから脱走し、家の中を這いずり回ります。トムとジェリーは、幾度となく赤ちゃんを危険から救い出し、ベッドに連れ戻そうとしますが、ジニーはトムが赤ちゃんをいじめていると誤解して叱りつけます。

赤ちゃんは、ついに家の外へ出てしまいます。トムとジェリーは必死で赤ちゃんを追いかけ、ポストに閉じ込められた赤ちゃんを助け出そうとします。その最中、警察官に不審者と間違われ、銃撃を避けながら、なんとか赤ちゃんを保護し、ベッドに寝かせます。

ジョージ・ジョアン夫妻が帰宅すると、何も知らずに長電話をしていたジニーは、「トムが少しいたずらしたけれど、赤ちゃんは大丈夫です。今は天使のように眠っています」と嘘をつきます。

キャラクター

トム: 通常はジェリーと敵対関係にあるトムですが、本作では珍しくジェリーと協力して赤ちゃんを助けます。
ジェリー: トム同様、赤ちゃんを助けるために協力します。二人の協力関係は、本作の大きな魅力です。
ジニー: ベビーシッターとして登場。責任感の欠如が物語のきっかけとなります。
赤ちゃん: 物語の中心となる赤ちゃんは、予想外の行動でトムとジェリーを翻弄します。
* ジョージ・ジョアン夫妻: 赤ちゃんの両親。ジニーに赤ちゃんの世話を頼みます。

作品の魅力

『赤ちゃんは楽だね』は、トムとジェリーの定番の追いかけっこやいたずらが少ない分、赤ちゃんを巡るドタバタ劇に焦点が当たっています。トムとジェリーが協力して赤ちゃんを助けるという展開は、新鮮で、彼らの意外な一面を見ることができます。また、ジニーの無責任さや、赤ちゃんのかわいらしさも相まって、コメディとして非常に魅力的な作品となっています。

日本での放映

日本では、TBS系列などで1964年から1990年頃まで放送されましたが、DVD化はされていません。

関連作品

『赤ちゃんは知らん顔』も、ジニーと赤ちゃんが登場する作品です。本作と同様に、赤ちゃんが動き回る様子が描かれています。

まとめ

『赤ちゃんは楽だね』は、トムとジェリーの珍しい協力関係と、赤ちゃんを巡るドタバタ劇が魅力的な作品です。DVD化されていないのが残念ですが、機会があればぜひ鑑賞してみてください。

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