赤ちょうちん (曲)

「赤ちょうちん」

「赤ちょうちん」は、日本のフォークグループ、かぐや姫が1974年1月20日にリリースした通算6枚目のシングルレコードです。彼らの代表的なヒット曲である「神田川」の続編とも位置づけられる、「四畳半フォーク」の世界観を描いた三部作の第2弾として発表されました。この楽曲は、同年3月5日に発売されたアルバム『三階建の詩』にも収録されています。

商業的成功と価格設定

本作は商業的にも大きな成功を収めました。オリコンの年間シングルチャートでは32位にランクインし、累計で70万枚を超えるセールスを記録しています。

「赤ちょうちん」のリリースには、当時としては異例の出来事がありました。一般的に、当時の日本のシングルレコードの価格は500円が標準でしたが、本作は初めて600円という価格で発売されたのです。この価格設定に関して、メンバーの南こうせつは、自分たちの音楽が商業的な側面によって汚されつつあると感じ、それがグループの早期解散を決断する一因となった、と後に語っています。

制作背景と映画化

南こうせつは、当初、後に大ヒットとなる「なごり雪」（イルカ歌唱）をシングルとして発表したいと考えていたそうです。しかし、「赤ちょうちん」が映画化されることが決定したため、計画を変更して本作をシングルとして発売することになったというエピソードが残されています。

楽曲の世界観は大きな反響を呼び、発表と同じ年である1974年には実際に映画化も実現しました。この映画では、女優の秋吉久美子が主演を務め、楽曲で描かれた若者の貧しくも懸命な暮らしぶりが映像として描かれました。

収録曲

シングル「赤ちょうちん」には、以下の2曲が収録されています。

1. 赤ちょうちん （3分55秒）
作詞：喜多条忠 / 作曲：南こうせつ / 編曲：石川鷹彦

2. この季節が変われば
作詞：伊勢正三 / 作曲：山田つぐと / 編曲：木田高介

主なカバーバージョン

発表後も多くのアーティストによってカバーされています。

伊藤秀志
2003年発売のアルバム『御訛り』に、「赤ちょうちん ZuZuバージョン」として収録されています。

森昌子
2007年発売のアルバム「あのころ」に収録されています。

その他

テレビ番組「志村けんのだいじょうぶだぁ」の中では、この楽曲をモチーフにしたコント「キャベツばかりをかじってた」が放送されるなど、楽曲が持つ印象的なフレーズは、様々な形で日本のポップカルチャーに影響を与えています。

かぐや姫の「赤ちょうちん」は、当時の若者の生活をリアルに描き出し、商業的な側面も含めて、日本の音楽史において特筆すべき一曲と言えるでしょう。

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