赤と黒の熱情

赤と黒の熱情 Passion

『赤と黒の熱情 Passion』は、1992年4月25日に公開された日本の映画作品。主演は陣内孝則、監督は工藤栄一、脚本は野沢尚が務めました。東映東京撮影所が製作し、東映が配給を手掛けた、サスペンスの要素を織り交ぜた異色のヤクザ映画です。

ストーリー

ヤクザの楯夫は、兄貴分の桐島から組織の資金3億円を奪った文治の捜索を命じられます。文治は楯夫の親友であり、恋人である沙織の兄でもありました。葛藤を抱えながらも楯夫は文治を探し出し、瀕死の文治から沙織への伝言を託されます。その後、文治を自らの手で始末せざるを得なくなります。その光景を目撃した沙織は、ショックで記憶を失ってしまいます。

6年後、服役を終えた楯夫は、沙織が入院している精神病院へ向かいます。医師の阿藤から、沙織の記憶を取り戻すためには、偽りの思い出を語ることが重要だと助言を受けます。かつての兄弟分である研作と再会した楯夫は、桐島の事務所へ行き、3億円の行方をつかめなかったことを詫びますが、桐島から沙織について探りを入れられます。

沙織を引き取った楯夫は、彼女のために故郷で嘘の思い出を作り始めます。しかし、ある日沙織は姿を消し、研作は桐島の企みに気づき、非難します。桐島の真の目的は、沙織を手に入れるために楯夫を組織から追い出すことでした。文治を殺害したのは桐島自身であり、沙織は薬物中毒にされて記憶を失っていたのです。沙織が精神病院に閉じ込められていたのは、桐島が3億円のありかを知っていると疑っていたためでした。

真相を知った研作は桐島に殺され、楯夫は復讐を決意します。沙織は記憶を取り戻し、楯夫に恨みをぶつけますが、3億円の隠し場所を教えます。それは、2人の故郷である離島のキャンプ場跡地でした。そこには、文治の遺書と3億円が隠されていました。遺書を読んだ沙織は、文治が桐島の企みに気づいていたことを知り、楯夫との誤解を解きます。

桐島たちが現れ、激しい銃撃戦が繰り広げられます。楯夫は銃弾を浴びながらも桐島を倒し、沙織と抱き合います。

キャスト

松浦楯夫：陣内孝則
矢崎沙織：麻生祐未
神津研作：仲村トオル
矢崎文治：柳葉敏郎
阿藤政信：内藤剛志
桐島克則：古尾谷雅人

スタッフ

監督：工藤栄一
脚本：野沢尚
音楽：埜邑紀見男
撮影：仙元誠三

製作の背景

岡田裕介東映東京撮影所所長、佐藤和之プロデューサー、脚本家の野沢尚が、「男の贖罪と愛」をテーマに、フランク・キャプラ監督作品や日活ムードアクションなどを参考にしながら脚本を制作しました。

作品の評価

1992年のゴールデンウイークに公開されましたが、興行収入は振るわず、岡田茂東映社長が不満を示したとされています。

外部リンク

赤と黒の熱情 - allcinema
赤と黒の熱情 - KINENOTE

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