赤井彰

赤井 彰の生涯と業績

赤井彰（あかいあきら）は、1919年6月8日に和歌山県橋本市で生まれ、1998年1月21日に亡くなった西洋史学者です。彼は特にフランス史に精通し、長年にわたり高等教育機関で教鞭を執ってきました。彼は東京帝国大学の文学部西洋史科を1941年に卒業し、以後、北海道大学の助教授を経て獨協大学の教授に就任しました。1989年には教授職を定年退任し、名誉教授となりました。

赤井彰は、その学問的な業績の他にも、数多くの著書や共著、翻訳を発表しており、歴史学界において高く評価されています。彼の代表的な著作には『世界史の人びと 4 近代のあけぼの』や『スペイン無敵艦隊の最期』があり、これらの作品は歴史教育において重要な位置を占めています。

主な著書

1. 『世界史の人びと 4 近代のあけぼの』（1956年、筑摩書房）
- 近代の歴史的背景を探求し、当時の人々の生活や文化について掘り下げた著作です。

2. 『スペイン無敵艦隊の最期』（1968年、人間往来社）
- スペインの無敵艦隊の歴史的意義とその運命を描いた作品で、稀に見る視点から歴史を展開しています。

共著としての活動

赤井はまた、以下のような共著作にも寄与しています。

• - 『西洋史通論 上巻』（1962年、井上泰男共編、明玄書房）
• - 『新西洋史通論』（1966年、井上泰男・平城照介共編、明玄書房）
• - 『世界の歴史 第7 ヨーロッパの目ざめ』（1968年、山上正太郎共著、集英社）
• - 『世界の歴史 7文芸復興の時代』（1974年、山上正太郎・相田重夫共著、社会思想社）

これらの著作は、西洋史についての理解を深める絶好の教材となっており、学術界でも広く引用されています。

翻訳活動

さらに赤井は、翻訳者としても多くの重要な作品を日本に紹介しており、その中には次のようなものがあります。

• - 『ルネッサンス』（ポール・フォール著、1952年、白水社）
• - 『年表世界史 第3 近代編』（ジャン・ドゥロルム著、1967年、白水社）
• - 『世界を創った人びと 24 ヴィクトル・ユゴー フランスロマン派の文豪』（1980年、平凡社）

これらの翻訳成果も、歴史研究の発展に大いに寄与しています。特に、ブローデルの研究に関する著作も手がけており、アナール派史学の魅力を広げる役割を果たしました。

元気で学究的な活動を続けながら、赤井は1998年に呼吸不全によりこの世を去りました。彼の功績は日本の歴史学において今もなお、生き続けています。彼の作り上げた業績と著作は、歴史を学ぶ人々にとっての重要な手引きであり、今後も多くの人に影響を与え続けることでしょう。

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