赤塚忠

赤塚 忠（あかつか きよし）について

赤塚忠は、1913年4月9日に茨城県取手市で生まれた日本の著名な中国学者です。彼は、古代中国の哲学や文学において幅広い業績を残し、その研究は今でも高く評価されています。東京大学の名誉教授としても知られる彼は、また角川書店『新字源』の編集にも関与しており、学界において重要な役割を果たしました。

学歴と職歴

赤塚は学生時代に東京帝国大学の支那哲学科で学びました。その学びの場では、宇野哲人や塩谷温といった後の学問界で著名になる人物たちに師事し、彼としての基礎を築きました。1936年に大学を卒業し、1937年から1941年まで大学院でさらに学びを深める一方、郁文館中学や神戸商業大学の予科でも教えていました。この教育活動の合間に、彼は二度応召されて中国大陸に赴き、陸軍大尉として戦局を見守りました。

戦後の活動

敗戦後、赤塚は神戸大学と神戸経済大学へと移り、神戸時代には京都大学の人文科学研究所の貝塚茂樹の研究会にも参加しました。1955年には東京大学文学部に助教授として迎えられ、1962年には学位論文「周代文化の研究」を提出し、文学博士の学位を取得しました。1964年には教授に昇進し、東京大学での研究に専念しました。同時に、二松學舍大学など他の大学でも講師として活動し、学界での地位を確立していきました。

1974年に東京大学を定年退官した赤塚は、名誉教授の称号を授与され、続いて二松學舍大学で教授として教鞭を執りました。彼はその在職期間中に、学校法人二松學舍の評議員や附属図書館長といった重要な役職を歴任しました。

学界でも、赤塚は日本中国学会の理事長や東方学会の評議員として活動し、国際的な評価も得ることとなります。彼の生涯は学問に捧げられ、1983年11月28日に彼はこの世を去りました。

研究の多様性と業績

赤塚忠は古代中国の哲学・文学・金石学の各分野で幅広く業績を残し、特に甲骨文字や金石文の研究に力を入れました。彼の研究は、古代中国文化の理解を深める上で欠かせないものであり、今なお多くの研究者によって引用されています。

栄典と著作

赤塚は、叙正四位と叙勲三等授旭日中綬章を受けるなど、その業績が評価されました。著作については、『赤塚忠著作集』全7巻として一括し、彼の研究成果をまとめて公開されています。また、彼の代表的な共編著には、1967年の『大学・中庸』や1972年の『書経・易経 (抄)』、1974年から77年にかけて刊行された『荘子』などがあり、これらの著作は古代中国の文献への深い理解を表しています。

赤塚忠の業績は、後世の中国文学や哲学の研究に多大な影響を与え、現在でも彼の名は日本の中国学界においてその足跡が確実に刻まれています。

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