赤山禅院

赤山禅院について

赤山禅院（せきざんぜんいん）は、京都市左京区に位置する天台宗の寺院で、延暦寺の別院の一つです。この寺院は、本尊に泰山府君（赤山大明神）を祀り、特に方除けの神として古くから信仰を集めてきました。京都御所の北東にあたる位置にあり、そのため「表鬼門」として位置づけられています。また、拝殿の屋根には、鬼門除けとして猿の像が置かれており、猿が御幣と鈴を持った姿で安置されています。さらに、赤山禅院は紅葉の名所にもなっており、季節ごとに多くの観光客が訪れる場所として知られています。これに加え、「修学院歴史的風土特別保存地区」にも指定されており、周囲の景観が大切に保護されています。

歴史

赤山禅院の開創は仁和4年（888年）に遡ります。その名は、入唐僧・円仁に由来しており、円仁は生前、赤山法華院に触発されてこの地に禅院を建立しようとしましたが、彼の死により実現には至りませんでした。その遺志を受けた安慧は、唐の赤山にあった道教の神である泰山府君を勧請し、赤山社を建立しましたが、安慧自身もまた早くに亡くなっています。このため、寺院の創建年代にはさまざまな疑問が残ります。

特に、比叡山延暦寺の千日回峰行の中には、「赤山苦行」と呼ばれる厳しい修行があります。この行は、赤山大明神に花を供えるために行者が比叡山から雲母坂を登降するもので、実際には毎日山道を二倍の距離高下することが求められます。加えて、明治時代に実施された神仏分離令後も、赤山禅院はその神仏習合の形を保っています。

境内の特徴

境内には本殿、拝殿、地蔵堂、庫裏、弁財天堂、十六羅漢石像などが点在しています。

• - 本殿：本尊は泰山府君であり、道教の神を祀る仏教寺院です。
• - 拝殿：1911年に再建され、鬼門除けの猿が屋根の上に安置されています。この猿はかつて夜中に逃げ出し、悪戯をしたために金網の中に入れられた経歴があります。
• - 地蔵堂：同じく1911年に再建され、赤山大明神の本地仏である地蔵菩薩が祀られています。
• - 雲母不動堂：明治時代に雲母坂にあった雲母寺の本堂を移築したもので、本尊は不動明王です。
• - 西国三十三所石仏群や福禄寿殿も訪れることができ、都七福神の一つとして親しまれています。

アクセス

赤山禅院へのアクセスは、叡山電鉄叡山本線修学院駅から徒歩約20分、市営バス5系統や31系統、65系統の「修学院離宮道」バス停からも徒歩約20分の距離となっています。周囲の自然を楽しみながら訪れることができるのも魅力の一つです。

このように、赤山禅院は歴史と自然が融合した場所で、多くの人々にとって癒しのスポットとなっています。

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