赤木志津子

赤木志津子の生涯と業績

赤木志津子（あかぎ しづこ、1900年 - 1990年12月8日）は、日本の歴史学者として特に平安時代の文化史に深い造詣を持ち、日本文学との学際的研究を行いました。彼女はお茶の水女子大学や都留文科大学で教鞭を取り、女性として初の大学卒業歴史学者として多くの研究を支えた先駆者でした。

生い立ちと教育

福井県今立郡神明村に生まれた志津子は、父が陸軍の主計将校であり、母は御家人の家系に生まれました。彼女は三姉妹の次女として育ち、家族の都合で広島市に移り住むこととなります。広島市立中島尋常小学校や広島高等師範学校附属小学校を経て、彼女は優れた成績で広島県廣島高等女学校を卒業し、その後1917年に東京女子高等師範学校文科へ進学しました。

1921年に東京女子高等師範学校を卒業した志津子は、長野県飯田高等女学校や大阪府立市岡高等女学校で教鞭をとり、1925年からは青山女学院での教育に携わりました。学問に対する情熱を燃やし、また在学中には朝香宮湛子女王の家庭教師も務めました。

その後、東京文理科大学に進学し、数々の著名な教授たちから学ぶ中で、松本彦次郎の指導を受けて1932年に同大学を卒業しました。彼女は当時、女性として初めての卒業生となり、その後のキャリアにおいても女性研究者としての道を切り開きました。

教育と研究キャリア

志津子は、青山学院に戻り、1945年には青山学院女子専門学校で教授に就任しました。1949年にはお茶の水女子大学の助教授となり、1962年には教授に昇進しました。その後、1965年に定年退職を迎えましたが、退職後も富士見丘女子短期大学の教員として教壇に立ちました。しかし、その短大は経営破綻を迎え、赤木は3年間の教員生活の後に退職しました。

1968年から1973年までは都留文科大学の教授としても活躍し、多くの学生育成に寄与しました。

主要な著作

赤木志津子は数多くの著作を残しており、彼女の研究は平安時代の貴族社会や文化に関する理解を深める上で重要な役割を果たしています。代表的な著作には、1944年に発表された『紫式部とその時代』、1964年に発表された『平安貴族の生活と文化』、1969年の『御堂関白 藤原道長 栄華と権勢への執念』などがあります。

また、『教師の五十年 史学研究女性の回想』（1985年）では、彼女自身の経験に基づく貴重な回想を提供し、後の世代に貴重な教訓を伝えています。

まとめ

赤木志津子の業績は、日本の歴史学界に多大な影響を与え、特に女性歴史学者としての地位を確立する道を切り拓いた点において重要です。1990年に亡くなるまで、彼女はその学問に対する情熱を持ち続け、多くの研究者や学生に刺激を与え続けました。

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