赤木攻

赤木攻（あかぎ おさむ）

プロフィール

赤木攻は、1944年7月28日生まれの日本の東南アジア地域研究者です。大阪外国語大学（現・大阪大学外国語学部）名誉教授であり、同大学の第9代学長も務めました。専門はタイ政治・社会論で、タイ研究の第一人者として知られています。

経歴

岡山県新見市出身で、大阪外国語大学タイ語学科を卒業後、タイ王国立チュラーロンコーン大学文学部に留学。1969年から大阪外国語大学に奉職し、助手、講師を経て、1988年に教授に就任しました。大阪外国語大学では、地域文化学科アジア 2 講座教授として、東南アジア地域研究とタイ国政治を担当しました。

1975年にはチュラーロンコーン大学とタマサート大学で客員講師を、1985年には在タイ日本国大使館専門調査員を歴任。1994年には米国ノーザンイリノイ大学東南アジア研究センター短期研究員を務めました。1999年から2003年まで大阪外国語大学第9代学長を務め、2003年に同大学名誉教授となりました。

秋篠宮家との関係

赤木氏は、秋篠宮家との親交が深く、2004年からは秋篠宮家の学術顧問を務めています。秋篠宮文仁親王のニワトリやナマズの研究に対し、タイのマハーサーラカーム大学を含む多くの大学から名誉博士号が授与されるきっかけを作りました。また、文仁親王妃紀子の父である川嶋辰彦氏とは30年来の親交があり、タイの農村での国際交流やボランティア活動を共に推進しました。

その他の役職

赤木氏は、学術研究以外にも様々な分野で活躍しています。主な役職として、日本学生支援機構参与、東京国際交流館館長、東京外国語大学特任教授、泉佐野市教育委員会委員長、大阪観光大学学長などを歴任しました。また、2012年から2019年までアース製薬の社外取締役も務めました。

社会活動

長年にわたり、日本タイクラブ代表を務めるなど、社会活動にも積極的に参加しています。その他、学校法人天王寺学館理事、高梁市市政アドバイザー、学校法人明浄学院理事、国立大学法人和歌山大学経営協議会委員、大阪府立久米田高等学校協議会委員、大阪府立日根野高等学校協議会委員、山階鳥類研究所評議員、公益財団法人坂田記念ジャーナリズム振興財団理事長などを歴任しました。

受賞歴

赤木氏の功績は、国内外で高く評価されており、1990年にアジア・太平洋賞特別賞、1996年にタイ王国から勲三等白象章、2018年に泉佐野市市制70周年表彰を受賞しています。

著作

赤木氏は、タイ政治・社会に関する多数の著作を執筆しており、タイ語学関連書籍の監修も行っています。主な著書には、『タイ国憲法論』、『タイの政治文化 - 剛と柔 - 』、『タイの永住日本人』などがあります。

また、共編著として、『タイの昔話』、『現代アジア教育史研究』、『タイ農村の構造と変動』などを、翻訳著として、『タイ知識人の苦悩 - プオイを中心として - 』、『タイ現代史への一証言』などを出版しています。

論文

多くの学術論文も発表しており、「タイ国憲法の史的考察」、「タイの大学人における危機意識」、「タイにおける官僚政治の社会・文化的基礎試論」、「＜ラック・タイ＞の成立と状況化に関する覚え書き」などがあります。


赤木攻は、タイ研究の第一人者として、学術研究、教育、社会活動の多岐にわたり、日本とタイの交流に大きく貢献してきた人物です。

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