赤松小寅

赤松小寅について

赤松小寅（あかまつ ことら）は、1890年（明治23年）4月3日に生まれ、1944年（昭和19年）4月25日に没した日本の官僚です。彼は内務省と警察で要職を歴任し、複数の県知事を務めました。旧幕臣で海軍中将の赤松則良の五男として生まれ、東京府で育ちました。本籍は静岡県です。

学歴と官僚としてのキャリア

赤松小寅は、学習院中等学科、同高等学科を経て、1915年（大正4年）2月に京都帝国大学法科大学政治学科を卒業しました。同年10月には文官高等試験行政科試験に合格し、官僚としての道を歩み始めました。1916年（大正5年）2月には内務省に入り、長崎県工場監督官補として警察部保安課に勤務しました。その後、長崎県属として内務部地方課に異動し、地方課長心得、長崎県理事官、三重県農商課長、山梨県理事官、内務省社会局事務官・工場監督官などを歴任しました。

県知事としての活躍

1924年（大正13年）12月、赤松小寅は福井県書記官・警察部長に就任しました。その後、山口県書記官・警察部長、同県内務部長、長崎県内務部長などを歴任し、地方行政に深く関わりました。1931年（昭和6年）12月には高知県知事に任命され、初めて県知事としての職務を担いました。その後、1932年（昭和7年）3月に内務省社会局労働部長に転じ、1937年（昭和12年）2月には土木局長に就任しました。同年11月には福岡県知事に発令され、1939年（昭和14年）4月には京都府知事となりました。1940年（昭和15年）4月に京都府知事を辞任し、官界を退きました。

国際労働総会への参加

赤松小寅は、国際的な舞台でも活躍しました。1923年（大正12年）の第5回国際労働総会と1924年（大正13年）の第6回総会には政府代表委員随員として、1933年（昭和8年）の第17回国際労働総会と1935年（昭和10年）の第18回総会には政府代表委員として参加し、労働問題に関する国際的な議論に貢献しました。

著作と親族

赤松小寅は、著作も残しており、1936年には『退職積立金法案に就て』と『退職積立金法案の意義とその内容』を出版しました。これらの著作を通じて、労働者の福祉向上に貢献しようとした彼の姿勢が伺えます。

また、赤松小寅の長兄は、実業家であり貴族院議員でもあった赤松範一です。

栄典と参考文献

1940年（昭和15年）8月15日には、紀元二千六百年祝典記念章を授与されました。

赤松小寅の生涯については、以下の参考文献でより詳しく知ることができます。

秦郁彦編『日本近現代人物履歴事典』東京大学出版会、2002年。
歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。

赤松小寅は、内務官僚、警察官僚として地方行政に携わり、国際舞台でも活躍した人物であり、その功績は後世に語り継がれるべきものです。

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