赤澤璋一

赤澤璋一

赤澤璋一（あかざわ しょういち、1919年11月25日 - 2002年9月29日）は、日本の通産官僚であり、日本貿易振興会（ジェトロ）第6代理事長を務めました。戦後初の国産旅客機YS-11の生みの親として知られています。

生涯

岡山県出身の赤澤は、大阪高等学校を経て、1941年12月に東京帝国大学法学部を繰り上げ卒業しました。翌1942年1月に商工省に入省し、官僚としてのキャリアをスタートさせます。

入省後すぐに海軍経理学校に入学し、卒業後は戦艦比叡に主計官として着任。ミッドウェー海戦や第三次ソロモン海戦といった激戦を経験しました。ソロモン海戦で比叡は沈没しています。1945年11月に商工省に復帰しました。

1954年4月には防衛庁調達実施本部に出向し、調達課長を務めました。1955年には通産省重工業局航空機課長（後に航空機武器課長）に就任し、YS-11の開発に尽力。「財団法人 輸送機設計研究協会」を設立させ、YS-11の開発を推進しました。1959年経済企画庁調整局調整課長、調整局長を経て、1969年通産省重工業局長に就任。

1971年に通産省を退官後、1973年1月に富士通に入社。同社で専務、副社長、副会長を歴任し、1989年に退任しました。また、1983年9月から1989年12月にかけて日本貿易振興会理事長を務め、日本の貿易振興に貢献しました。中曽根康弘のブレーンとしても知られていました。

2002年9月29日、多臓器不全のため死去しました。

長男は歴史学者で立命館大学法学部名誉教授の赤澤史朗です。

略歴

1941年12月：東京帝大法学部卒業
1942年1月：商工省入省、海軍経理学校入校
1945年11月：商工省に復帰
1952年：通産省官房企画室勤務
1954年4月：防衛庁調達実施本部に出向　調達課長
1955年12月：通産省重工業局航空機課長（後に航空機武器課長）
1959年：経済企画庁調整局調整課長
1967年：経済企画庁調整局長
1969年：通産省重工業局長
1971年：通産省退官
1973年1月：富士通入社　同社専務
1976年：富士通副社長
1981年：富士通副会長
1983年：日本貿易振興会（ジェトロ）理事長
1989年：世界平和研究所副会長
2002年9月：多臓器不全のため没

人物像

赤澤璋一は、戦後の日本経済の復興と発展に大きく貢献した人物として知られています。特に、国産旅客機YS-11の開発に尽力したことは、日本の航空産業の発展に大きく寄与しました。また、日本貿易振興会理事長として、日本の貿易振興にも貢献しました。その功績から、米国コロラド州名誉州民の称号を受けています。

参考文献

中村浩美『YS-11　世界を翔けた日本の翼』 祥伝社、2006年 ISBN 4-396-11048-0
渡邉恒雄、御厨貴、伊藤隆、飯尾潤『渡邉恒雄回顧録 (中公文庫) 』中央公論新社、2007年。ISBN 9784122048003

関連項目

YS-11
日本航空機製造
* 海軍経理学校

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