赤田古墳群

赤田古墳群について

赤田古墳群は、神奈川県横浜市青葉区あざみ野南にかつて存在した古墳群です。この古墳群は、円墳4基と横穴墓42基から構成されていましたが、現在はすべて消滅しています。しかし、地域の歴史を伝えるために、赤田2号墳の実寸大レプリカが赤田西公園に設置されています。

赤田地域の変遷

赤田古墳群がある青葉区あざみ野南地域は、元々は緑区荏田町赤田と呼ばれ、自然豊かな場所でした。赤田川が流れる谷戸は谷のようになっており、かつては水田や雑木林が広がっていました。この地区は1980年代の半ばまでは開発が行われず、多くの自然が残されていました。しかし、その後の開発によって周囲の丘陵は削られ、谷戸は埋め立てられ、かつての姿は消えてしまいました。

周辺の開発が進む中で、赤田地区内の遺跡を残すために発掘調査が行われました。この事業は、赤田土地区画整理組合が発表したもので、横浜市教育委員会に依頼された日本窯業史研究所が関わりました。調査の結果、赤田古墳群を含む縄文時代から江戸時代にかけての14箇所の遺跡が見つかり、「赤田地区遺跡群」と名付けられました。

古墳の構造

赤田古墳群は、北側と西側の丘陵に比較的離れて散在する形で4基の円墳が存在していました。あざみ野南地域には、他にも古墳が存在するため、それらを総合的に荏田古墳群と呼ぶこともあります。

1号墳は直径20メートル、高さ2.5メートルで、横穴式の石室がありました。石室の素材は泥岩で、周囲から様々な遺物が出土しました。2号墳も同様に、直径20メートルで、埋葬主体部は横穴式石室でした。ここからも多くの遺物が出土しており、特に玉類が豊富でした。3号墳も1号墳と類似した様式で、出土品が確認されていますが、4号墳は直葬の形式をとっていました。

出土品に基づく年代から、古墳は築造の順番が判明し、4号墳が5世紀末、2号墳が6世紀後半、1号墳が7世紀初頭、3号墳が7世紀中頃に造られたとされています。また、この地域の南斜面では6世紀から7世紀の横穴墓が42基見つかり、円墳との関係性が注目されています。

現在の状況

赤田古墳群は、この地域の重要な有力者たちの墓であると考えられています。周辺の古墳群との関連性や、近くにある都筑郡役所跡との関係も研究の対象となっています。しかし、開発により古墳群は壊滅的な被害を受け、消滅してしまいました。その中で、赤田2号墳のレプリカが江田駅北西の赤田西公園に設置され、地域の歴史と文化を伝える役割を果たしています。

このように赤田古墳群の歴史的背景や遺構は、地域の発展とともに失われつつある自然や文化の貴重な証を示しています。

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