赤穂城断絶

映画『赤穂城断絶』の概要

『赤穂城断絶』は1978年に公開された日本映画で、特に「忠臣蔵」を題材にした作品の一つです。この映画は監督の深作欣二氏が手掛け、配給は東映が行っています。上映時間はなんと160分。オールスターキャストが集結しており、この作品は忠臣蔵映画化としては25回目にあたります。昭和53年度文化庁芸術祭にも参加しており、文化的にも価値のある作品とされています。

あらすじとキャスト

本作では、主人公の大石内蔵助を演じたのは萬屋錦之介氏です。彼は1979年にテレビドラマ『赤穂浪士』でも同じ役で主演しており、彼の内蔵助像は多くの視聴者に記憶されています。映画には他にも多くの名優が出演しています。

• - 不破数右衛門：千葉真一
• - 多門伝八郎：松方弘樹
• - 浅野内匠頭：西郷輝彦
• - 小林平八郎：渡瀬恒彦
• - 橋本平左衛門：近藤正臣
• - 橋本はつ：原田美枝子

また、重要な役どころには丹波哲郎氏が演じる柳沢吉保、芦田伸介氏の色部図書、三田佳子氏の瑤泉院などもおり、多彩なキャストによるドラマが展開されます。特に、大石内蔵助と吉良上野介の対決が物語の大きな見どころとなっています。

制作の背景

映画の製作は、1978年1月に公開された萬屋錦之介主演の『柳生一族の陰謀』が大ヒットしたことを受けて、東映社長の岡田茂氏からの指示で始まりました。深作監督は、新たな忠臣蔵の形を模索し、脚本家の高田宏治に対して討ち入りのシーンを省いても良いと提案しました。これにより、大石と吉良の興味深いスパイ合戦に焦点を当てる可能性が生まれました。しかし、監督と主演の錦之介氏との意見が衝突し、最終的には従来の忠臣蔵の枠から離れない方向へ進むこととなります。

撮影と演出

撮影の現場では、深作監督と錦之介氏の対立が続きました。深作氏は、物語の描写に変化をもたらすことを求め、「美談」ではなく「公儀への反逆」を描く決意を固めました。また、討ち入りのシーンでは、アクションの見せ場として不破数右衛門と小林平八郎の激しい戦いが描かれ、観客を惹きつけました。

評価とアフターケア

残念ながら、この映画は興行成績において前作『柳生一族の陰謀』の半分にも満たない結果に終わりました。それでも、渡瀬恒彦氏は本作で助演男優賞を受賞するなど、個々のパフォーマンスは高く評価されました。こうした評価は、錦之介氏の意向を反映した結果でもあり、深作監督にとってはやや窮屈な製作となりました。

ネット配信と今後の展開

2022年には、YouTubeの「東映時代劇YouTube」チャンネルにおいて、同作が期間限定で無料配信されました。この配信は、視聴者にとって古典的な名作を再び楽しむ機会となりました。深作監督の忠臣蔵に関する探求は、その後1994年に再度映画化されることとなり、監督としての意欲が改めて示されました。

『赤穂城断絶』は、時代劇の魅力を最大限に引き出した作品と言えるでしょう。

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