赤羽萬次郎

赤羽萬次郎の生涯

赤羽萬次郎（あかばね まんじろう）は、1861年に信濃国松本にて商家の次男として誕生しました。若い頃から彼は政治に関心を持ち、18歳の時に地元の自由民権運動に関与するため、政治結社「奨匡社」を設立しました。また、新聞や雑誌において自らの政論を発表し、その名が知られるようになりました。

ジャーナリストとしての道

1881年、赤羽は上京し、日本で初めての日刊新聞として知られる「東京横浜毎日新聞」の記者として働きました。彼は社主が主催する演説団体「嚶鳴社」の同人として、各地を巡りながら自らの意見を広めました。その中で、大隈重信がリーダーを務める立憲改進党にも関与し、政治活動とジャーナリズムの両面で影響を与えていきました。

北國新聞社の創設

1886年、赤羽は金沢の改進党系新聞「北陸新報」の主筆として招かれ、その後の5年間は新聞の運営に尽力しました。しかし、社長が自由党系に身売りすることに反発し、彼は退社します。この経験を経て、1893年8月5日、赤羽は「北國新聞社」を設立しました。彼は自ら社長かつ主筆となり、新聞の方針を策定しました。

彼が発表した発刊の辞には、「公平を性とし誠実を体とし、正理を経とし公益を緯とす、わが北國新聞は超然として党派外に卓立す」という言葉が含まれており、今日でも同社の社是として継承されています。この言葉は、赤羽のジャーナリズムへの信念を表しています。

晩年と死去

晩年の赤羽は肺を患いながらも、病床にて社運営を指揮し、自らの原稿を書き続けました。彼はその情熱を失うことなく、36歳でこの世を去るまで活動を続けました。1898年9月に逝去し、その遺体は金沢の天徳院に埋葬されました。

彼の名を受け継ぐ場所

赤羽の功績を称えるため、北國新聞社は創刊115周年を迎えた2008年8月5日に「北國新聞赤羽ホール」を開館しました。このホールの名称は、彼にちなんで名づけられ、彼の業績とジャーナリズムへの貢献が今なお讃えられています。

赤羽萬次郎は、自由民権運動の先駆者として、また新聞の発展に尽力したジャーナリストとして、日本の歴史に名を刻む存在です。彼の思想や理想は、現代のジャーナリストにも影響を与えています。

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