横浜毎日新聞

横浜毎日新聞とは

横浜毎日新聞は、1871年に創刊された日本初の日刊新聞とされる新聞です。創刊当初は貿易情報を中心に報道していましたが、次第に民権派の新聞としての性格を強めていきました。幾度かの改題を経て、東京毎日新聞と名乗っていた時期が最も長く、略称は「東毎」でした。現在発行されている全国紙の毎日新聞とは、直接的な系統関係はありません。

創刊と初期の展開

1871年1月28日、横浜で産声を上げた横浜毎日新聞は、神奈川県令の井関盛艮が提唱し、本木昌造らの協力によって創刊されました。編集には、子安峻や栗本鋤雲といった人物が携わり、後に島田三郎が編集長、仮名垣魯文が記者を務めました。当初は貿易情報を中心に扱っていましたが、次第に民権派の論調を強めていきました。

東京進出と民権運動

1879年、沼間守一が買収し、東京に進出。東京横浜毎日新聞と改題しました。この頃から嚶鳴社系の民権新聞としての地位を確立し、立憲改進党の機関紙としての役割も担いました。その後、1886年に毎日新聞、1906年には東京毎日新聞と改題しています。この時期には、島田三郎が社長に就任し、日露戦争に対しては非戦論を展開しました。

経営難と身売り

しかし、経営状況は悪化し、1908年に報知[[新聞]]に身売りすることになりました。本社も移転を余儀なくされ、報知[[新聞]]の傍系紙として存続しましたが、その後、山本実彦、頼母木桂吉、小原達明と所有者が変わりました。小原時代の東京毎日新聞は、「正義の味方、労働者の味方」を標榜し、大杉栄を執筆者に迎えるなど、労働運動を支持する姿勢を示していましたが、社内の労働争議を弾圧したことで批判も浴びました。

関東大震災と吸収合併

1923年の関東大震災で大きな被害を受け、所有権は千葉博巳に移りました。その後、本社は報知[[新聞]]社内に移転しましたが、1940年に帝都日日新聞に吸収合併され、その歴史に幕を閉じました。

帝都日日新聞とその後

東京毎日を吸収した帝都日日は、軍部批判の言論活動により発行停止を繰り返しました。戦後一時復刊しましたが、1969年に国民タイムズ（現・東京スポーツ）に紙名を譲り、『やまと[[新聞]]』と改題し、現在は電子新聞として存続しています。

著名な在籍者

横浜毎日新聞、およびその後の東京毎日新聞には、数多くの著名人が在籍していました。主な人物として、後に内閣総理大臣となった石橋湛山、衆議院議長まで務めた島田三郎、社会運動家の大杉栄、小説家の尾崎士郎などが挙げられます。

日本初の日刊新聞について

横浜毎日新聞は、日本初の日刊新聞として知られていますが、それ以前にも英字新聞などで日刊発行されていたものがありました。そのため、「日本初の日本語による日刊新聞」として言及される場合もあります。創刊当初から洋紙に鉛活字で印刷されていたことも特徴の一つです。

名称や創刊日について

創刊当初の名称や創刊日については、かつて諸説ありましたが、1964年に創刊第1号の実物が発見されたことで、創刊当初から『横浜毎日新聞』という名称であったこと、創刊日は旧暦明治3年12月8日であることが確定しました。

大阪毎日[[新聞]]との関係

大阪毎日[[新聞]]（大毎）は、東京進出の際に、東京毎日新聞を買収しようとしましたが、不調に終わりました。その後、東京日日新聞（東日）を買収し、全国紙『毎日新聞』を誕生させることになります。皮肉なことに、横浜毎日新聞が帝都日日に吸収合併された後に、大毎と東日が題号を統一して『毎日新聞』が誕生することとなりました。

復刻版の出版

1990年代には、不二出版から復刻版が出版され、当時の姿を知ることができます。

まとめ

横浜毎日新聞は、日本初の日刊新聞として、その黎明期を彩りました。民権運動の機関紙としての側面を持ち、多くの著名な人物が在籍しました。幾度かの変遷を経て、その歴史に幕を閉じましたが、日本の新聞史において重要な役割を果たした新聞と言えるでしょう。

参考文献

「島田三郎全集」全6巻 デジタル復刻出版（龍溪書舎）

関連項目

やまと[[新聞]]社
報知[[新聞]]社
毎日新聞GHD・毎日新聞社
東京日日新聞
大阪毎日[[新聞]]
産業経済新聞社
しんぶん赤旗
サッポロホールディングス
日本の労働運動史
日本労働組合総同盟
亀戸事件
* 甘粕事件

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