赤菱のイレブン

『赤菱のイレブン』は、Jリーグ・浦和レッドダイヤモンズを題材にした、古沢優氏による日本の4コマギャグ漫画です。タイトルは、浦和レッズの愛称「レッドダイヤモンズ」と、地元埼玉を舞台にしたスポ根漫画『赤き血のイレブン』を掛け合わせたものです。

連載の軌跡

1995年に『月刊REDWIN』で連載が開始されました。1999年、浦和レッズがJ2に降格したことに伴い、『REDWIN』が休刊し、連載は一時終了します。しかし、2000年に浦和レッズに関するウェブサイトで連載が再開され、再びファンを楽しませました。2002年には、テレビ埼玉の「REDS TV GGR」内でアニメ化され、オープニングアニメも担当しました。2005年には、さいたまレイナスの浦和レッズレディース編入に伴い、レッズレディースのネタも取り入れられるようになります。2006年からは、「ケータイ版レッズプレス!!」で「赤菱1コマ」の連載を開始し、2007年には動画版「赤菱FLASH」もスタートしました。2007年3月には、世界130カ国で放送された「THE KING OF CLUBS」で浦和レッズが紹介された際、イラストが使用されました。

作品の特徴

作者自身が浦和レッズのサポーターであるため、チームや選手に対する愛情と、それを愛情ゆえに皮肉る視点が特徴です。時には辛辣な表現も含まれますが、それはチームへの期待の裏返しと言えるでしょう。作品には、レギュラークラスの選手が多く登場しますが、試合に出場機会が少ない選手も描かれることがあります。4コマ漫画は、浦和レッズの選手がオチに使われることが多いため、他のチームのサポーターでも楽しめる内容です。しかし、2008年に発売された「赤菱のイレブン・オフィシャルイヤーブック2007」では、他のチームの選手や関係者、果てはアウェイのイベントに登場した大黒摩季まで皮肉の対象となり、浦和レッズ以外のサポーターには少々読みづらい内容となっています。

選手の中にも作品をチェックしている人がおり、作者に注文をつけることもあるそうです。また、公式コメントの中で『赤菱のイレブン』を意識した発言をする選手もいます（例：酒井友之が移籍した際、平川忠亮が「友ちゃんがいなくなったら誰に癒しを求めればいいのかわからない」と発言）。近年では、エルゴラッソとのコラボレーション作品も描かれており、FC東京、川崎フロンターレ、横浜F・マリノスなどのチームも登場しています。

主な選手設定

女性に人気のある選手：連載初期は岩瀬健、2002年ごろから長谷部誠、2005年ころから細貝萌や加藤順大など
よくネタにされる若手選手：初期は杉山弘一と堀孝史、その後、三本菅崇と田畑昭宏、横山拓也など

主な作品例

試合描写：試合直後の作者の感想をネタにしたもの（負け試合や試合終了間際に追いつかれた試合が多い）
ゴールシーン描写：印象に残ったゴールシーンをネタにしたもの（実際はオウンゴールが多い）
キャラクターもの：確立された選手のキャラクターを基にネタを描いたもの
そっちかい！：ある事項を思い起こさせておいて、オチで「そっちかい！」と持っていくネタ
あるあるサポー隊：浦和レッズサポーターの悲しい習性をネタにしたもの

主な登場人物

（ここでは、赤菱のイレブンに登場する選手や関係者のうち、特徴的なキャラクターを持つ人物を一部紹介します。詳細は割愛します。）

土田尚史：初代レッズの守護神、「ゴール前のオドシ屋」
都築龍太：関西弁を操るツッコミ担当
山田暢久：永遠の小学生
福田正博：大きな目玉と歯茎がトレードマーク
長谷部誠：チーム一の美男子キャラ
細貝萌：長谷部から女子サポーターのハートを奪おうと画策
鈴木啓太：『枠の外』ネタ担当

単行本

複数の単行本が出版されており、長年にわたって浦和レッズのサポーターに愛されています。

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