赤軍パルチザン

赤軍パルチザンの概要

赤軍パルチザン（せきぐんパルチザン）は、ソビエト連邦の指導のもと、主に大祖国戦争中に活動した共産主義のゲリラ部隊です。彼らはドイツ国防軍の占領地やフィンランドの国境地域で、枢軸国軍に対抗すべく戦闘を行いました。国際的には、ソビエトパルチザンという名称で知られることもあります。このパルチザンという用語は、イタリア語の「partigiano」から派生したフランス語の言葉で、もともとは党員や仲間を意味します。

活動の背景と形成

赤軍パルチザンは、ソ連政府の指導のもとに強固な組織を築きました。彼らの主な活動内容には、ドイツ軍による占領地での補給ラインの妨害や、有効な後方支援策としての小規模な待ち伏せ攻撃が含まれていました。1941年の夏、パルチザン活動に関する指令が発せられ、初期の部隊は赤軍兵士、破壊大隊、地元の共産党員、コムソモールメンバー、そしてソ連の活動家によって構成されました。この時点で231個の派遣隊が活動しており、年末までには437個に達し、7200人以上がこの運動に参加しました。

地域ごとの活動

ベラルーシ

ベラルーシは森林や沼地が豊かで、モスクワと繋がる重要な交通路が集中する地域です。このため、ソ連政府はパルチザン活動を特に重要視し、1941年のバルバロッサ作戦の際に赤軍の孤立した部隊を支援しようとしました。しかし、支援が途絶えると活動は困難となり、地元住民からの支持も得られなかったため、戦況は厳しいものでした。ただし、モスクワの戦いで赤軍が勝利を収めた後、パルチザンの士気は向上しました。1942年には、派遣隊が旅団に統合され始め、鉄道に対する妨害活動が活発化しました。

ウクライナ

ウクライナでは、1941年から1942年にかけて多くのパルチザン支隊が結成され、シディル・コフパクの指揮のもと、ドイツ軍の補給を妨げるための襲撃活動が実施されました。彼らの勢力が増すにつれ、ドイツ軍もパルチザンへの対処方法として毒ガスの使用を検討するようになったのです。パルチザンの活動は、民間人への悲劇的な虐殺を引き起こし、多くの人々が影響を受けました。

ロシア

ブリャンスク方面では、パルチザンがドイツ軍後方の地域を広く支配しており、1942年の夏には14000平方キロメートル、人口20万人を掌握していました。クルスクの戦いを契機に、鉄道を標的にした大規模な作戦が展開されました。この活動によって多数の鉄道と橋が破壊され、ドイツ軍の補給線は大きく断たれました。

ポーランド

ソビエトのパルチザンは、抵抗するポーランド人に対しても過酷な攻撃を行います。ポーランドのパルチザンとの対立は激化し、多くの残虐行為が報告されました。1944年には、ヤノフスキ森での激しい戦闘があり、パルチザンは必死に抵抗し、ドイツ軍への大きな損害を与えました。

フィンランド

フィンランドでのパルチザン活動は、現地のロシア人と一部カレリア人によって展開されました。ここでも、民間人に対する攻撃が頻発し、多大な犠牲を出しました。

結論

赤軍パルチザンは、大祖国戦争における重要なゲリラ部隊であり、地域毎に異なる戦略を展開しました。その活動はしばしば悲劇や残虐行為に結びついていましたが、同時に彼らがドイツ軍に与えた損害は無視できないものでした。

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