走水神社 (神戸市)

走水神社：歴史と文化が息づく元町の一社

神戸市中央区元町通5丁目に鎮座する走水神社は、1100年以上の歴史を誇る由緒ある神社です。元町商店街から少し南へ下った場所に位置し、静かなたたずまいを見せています。古くからこの地の氏神として、地域住民に親しまれてきました。

由緒と祭神

社伝によれば、走水神社は1100年以上前に創建されたと伝えられています。五穀豊穣、健康長寿、商売繁盛にご利益があるとされ、特に学問の神様としても広く信仰を集めています。祭神は天照大神、応神天皇、そして菅原道真です。菅原道真を祭神とすることから、境内には狛犬ではなく狛牛が祀られているのが特徴です。

境内には、多くの参拝者によって奉納された筆が納められた筆塚もあります。これは、菅原道真が書道の神様としても信仰されていることを象徴しています。

重要な祭事

走水神社では、一年を通して様々な祭事が執り行われますが、特に1月18日・19日の厄除祭と7月24日・25日の天神祭は、多くの人々が訪れる盛大な祭事です。これらの祭りは、地域住民の信仰の深さと、神社の重要な役割を示しています。

「走水」という名の由来

神社の名称である「走水」の由来には、いくつかの説があります。一つは、かつてこの地域を流れていた宇治川にまつわるものです。宇治川は雨が降るたびに激しく流れ、渦を巻いて周辺地域に被害をもたらしました。この激流の様子から「走り渦」と呼ばれ、それが転じて「走水」となったという説です。

もう一つの説は、この地域に住んでいた間人氏に関係しています。間人氏は天皇に仕えた氏族で、「はしひと」と呼ばれていましたが、それがなまって「はしうど」、そして「走水」となったという説です。間人氏は代々寺子屋教育で知られ、明治19年には間人たね子が間人幼児保育所を創立するなど、地域社会に貢献しました。

歴史的背景

明治維新以前、現在の元町通5丁目付近は八幡町と呼ばれ、極楽寺と八幡神社がありました。1874年（明治7年）に元町通と改称され、1875年（明治8年）に天満宮と八幡神社を合祀して走水神社が創建されました。「走水」という地名は、旧走水村に由来しています。

近隣の神社と名所

元町商店街は、地区によって氏神が異なります。走水神社は元町通5・6丁目の氏神ですが、4丁目は厳島神社、3丁目は三宮神社が氏神となっています。

走水神社周辺には、兵庫縣里程元標、元町商店街、鯉川筋、本願寺神戸別院、南京町、旧居留地、神戸市立博物館、神戸らんぷミュージアム、旧居留地十五番館、メリケンパーク、神戸海洋博物館、フィッシュダンスなど、多くの名所や文化施設があります。これらの場所を訪れる際には、ぜひ歴史と文化が息づく走水神社にも立ち寄ってみてください。

もう一度検索