超時空要塞マクロス THE FIRST
『超時空要塞マクロス THE FIRST』は、1982年に放送されたテレビアニメ『超時空要塞マクロス』を、キャラクターデザインを担当した美樹本晴彦が自らリメイクした漫画作品です。連載開始は2009年で、当初は『マクロスエース』という雑誌で始まりましたが、雑誌の休刊などを経て、現在はWebコミックとして展開されています。
オリジナルアニメ『超時空要塞マクロス』は、可変戦闘機、三角関係の恋愛ドラマ、そして「歌」を重要な要素とした展開で、1980年代を代表するアニメの一つとなりました。1984年には劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』も公開され、その人気は不動のものとなりました。その後も『マクロス7』や『マクロスプラス』など、数多くの続編や関連作品が制作され、シリーズは拡大を続けています。
本作『THE FIRST』は、シリーズ25周年を記念した『マクロスF』の成功を受け、マクロスが劇中で発進したとされる2009年を起点として、原点回帰と再構築を試みた作品です。物語はテレビアニメ版をベースにしつつも、OVA『マクロス ゼロ』後の前日譚や、後のシリーズで設定された要素も取り入れています。キャラクターやメカニックのデザインは、『愛・おぼえていますか』の要素を織り交ぜつつ、リニューアルや新設定が加えられています。
さらに、作中には2009年当時の現実世界の風俗も反映されており、折りたたみ式携帯電話やデジタルフォトフレームが登場するほか、携帯電話でのメールのやり取りや写真撮影といったシーンも描かれています。作者の美樹本晴彦は、本作で初めてパソコンによる漫画制作ソフトを導入しており、ドスパラの協力のもと機材を揃えたというエピソードも特筆すべき点です。アニメシリーズの第1作を、当時のキャラクターデザイナーが自らリメイクするという試みは、『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザイナー安彦良和による漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の影響を受けたものとされています。
『超時空要塞マクロス THE FIRST』は、2009年に創刊された『マクロスエース』で連載を開始しました。同誌では毎号表紙と巻頭を飾るなど、主力作品として扱われましたが、『マクロスエース』は2011年に事実上の休刊となりました。その後、2011年9月からは『月刊ガンダムエース増刊 ニュータイプエース』に移籍し、連載を継続しました。
『ニュータイプエース』も2013年に休刊すると、本作はWebコミックへと移行し、2014年からは『コミックNewtype』で本編の前日譚となる「南アタリア島」編が連載されました。しかし、2016年秋以降は約2年間休載状態が続きました。2018年2月からは、KADOKAWA系列を離れ、Cygamesが運営するWebコミック配信サイト『サイコミ』に移籍し、第1話から加筆・改訂された「再起動（リブート）版」が毎週日曜日に配信されました。しかし、2019年10月にサイコミでの連載休止が発表され、作者の公式サイトでは、再掲載をしつつ「ミス・マクロス編」の開始準備を進めていたものの、諸般の事情により一旦休止となったことが報告されています。今後は、サイコミと版権元のビックウエストと協議の上、連載再開の機会を待つことになっています。
物語は、西暦2012年、リン・ミンメイが宇宙に飛び立つ場面から始まります。その3年前、2009年。全長1200メートルにも及ぶ巨大な宇宙戦艦「マクロス」の進宙式典と、ミス・マクロスコンテストが開催される予定でした。地元の中華料理店「娘娘飯店」の看板娘であるミンメイも、コンテストに参加を予定していました。
1999年に地球に落下した謎の物体、後に「マクロス」と名付けられることになるこの物体は、未知のテクノロジーと宇宙戦争の存在を地球人類に知らしめました。地球人類は落下した物体を解析し、「地球統合政府」の樹立を急ぎました。統合政府樹立のための統合戦争は10年にも及びましたが、ようやく終結し、マクロスは修復されて宇宙へ飛び立とうとしていました。
そんな中、可変戦闘機バルキリーのアクロバット飛行中に、1機のプロペラ機が乱入します。そのパイロットこそ、エアレーサーの一条輝でした。輝は統合軍のロイ・フォッカーと再会を喜びますが、地球にはマクロスを追って異星人の艦隊が接近していました。異星人の艦隊は地球統合宇宙軍の防衛ラインを突破し、マクロスへの攻撃を開始します。成り行きから輝はVF-1Dバルキリーに乗り込み、戦いに巻き込まれていくのでした。
主要人物
一条輝（いちじょう ひかる）: 本作の主人公。民間のエアロレーサーのパイロットで、アマチュア大会で7回の優勝経験を持つ。マクロスの進宙式にファンレーサーで乱入し、成り行きからバルキリーに搭乗する。後に地球統合軍に入隊し、最新型のバルキリーに搭乗する。
リン・ミンメイ: 横浜の中華料理店「娘娘飯店」の看板娘で、15歳の中学生。ミス・マクロスコンテストに出場するため店に来ていたところ、異星人との戦闘に巻き込まれる。赤い携帯電話を持っている。
早瀬未沙（はやせ みさ）: 地球統合軍中尉で、マクロスの主席戦闘指揮官。士官学校を首席で卒業した才女。
統合軍
ロイ・フォッカー: 地球統合軍のスカル大隊長。バルキリーのパイロットで、輝の先輩。統合戦争ではエースパイロットとして活躍した。
マクシミリアン・ジーナス: バルキリーの訓練生で、卓越した操縦テクニックを持つ。
柿崎速雄（かきざき はやお）: フォッカーの部下で訓練兵。
ブルーノ・J・グローバル: 地球統合宇宙軍の准将で、マクロスの艦長。
クローディア・ラサール: 地球統合軍中尉で、マクロスの主席航法・火器管制指揮官。フォッカーの恋人。
ヴァネッサ・レイアード, キム・キャビロフ, シャミー・ミリオム: マクロスのブリッジ付き情報管制士官。
ジーナ・バルトロウ: マクロスの技師長。
民間人
ハイマン・グエント: SDF-1改修計画推進派議員。
リン・カイフン: 音楽プロデューサーで、ミンメイの個人レッスンをしている。
ゼントラーディ軍
ブリタイ・クリダニク7018: ゼントラーディ軍の艦隊司令。
エキセドル・フォルモ: 記録参謀。
カムジン・クラブシェラ: ゼントラーディ兵。
ゴル＝ボドルザー: ゼントラーディ軍第118基幹艦隊の司令。
ラプラミズ7938, ミリア639: ボドルザー直衛部隊のメルトラン。
反統合同盟軍
ヴィクトール・グリシカ: 反統合同盟軍の潜水艦クリリスクの艦長。
謎の少女（仮称）: 反統合連合によるSDF-1襲撃戦に参戦するSv-51のパイロット。
本作には、テレビアニメ版をベースとしつつも、一部デザインが変更されたメカが登場します。VF-1Dは天神英貴が、VF-1J改は河森正治がデザインを担当しています。
統合軍
メガロード
SDF-1 マクロス
空母プロメテウス
強襲揚陸艦ダイダロス
VF-1A バルキリー／アーマードパック装備
VF-1D バルキリー
VF-1S バルキリー ロイ・フォッカー・スペシャル／アーマードパック装備
デストロイド・モンスター、トマホーク、ディフェンダー、スパルタン
VF-1J改 一条輝機
反統合同盟軍
改アクラ級潜水艦
SV-51
ゼントラーディ軍
* リガード、グラージ、空戦ポッド、ノプティ・バガニス
作品概要
オリジナルアニメ『超時空要塞マクロス』は、可変戦闘機、三角関係の恋愛ドラマ、そして「歌」を重要な要素とした展開で、1980年代を代表するアニメの一つとなりました。1984年には劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』も公開され、その人気は不動のものとなりました。その後も『マクロス7』や『マクロスプラス』など、数多くの続編や関連作品が制作され、シリーズは拡大を続けています。
本作『THE FIRST』は、シリーズ25周年を記念した『マクロスF』の成功を受け、マクロスが劇中で発進したとされる2009年を起点として、原点回帰と再構築を試みた作品です。物語はテレビアニメ版をベースにしつつも、OVA『マクロス ゼロ』後の前日譚や、後のシリーズで設定された要素も取り入れています。キャラクターやメカニックのデザインは、『愛・おぼえていますか』の要素を織り交ぜつつ、リニューアルや新設定が加えられています。
さらに、作中には2009年当時の現実世界の風俗も反映されており、折りたたみ式携帯電話やデジタルフォトフレームが登場するほか、携帯電話でのメールのやり取りや写真撮影といったシーンも描かれています。作者の美樹本晴彦は、本作で初めてパソコンによる漫画制作ソフトを導入しており、ドスパラの協力のもと機材を揃えたというエピソードも特筆すべき点です。アニメシリーズの第1作を、当時のキャラクターデザイナーが自らリメイクするという試みは、『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザイナー安彦良和による漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の影響を受けたものとされています。
連載媒体の変遷
『超時空要塞マクロス THE FIRST』は、2009年に創刊された『マクロスエース』で連載を開始しました。同誌では毎号表紙と巻頭を飾るなど、主力作品として扱われましたが、『マクロスエース』は2011年に事実上の休刊となりました。その後、2011年9月からは『月刊ガンダムエース増刊 ニュータイプエース』に移籍し、連載を継続しました。
『ニュータイプエース』も2013年に休刊すると、本作はWebコミックへと移行し、2014年からは『コミックNewtype』で本編の前日譚となる「南アタリア島」編が連載されました。しかし、2016年秋以降は約2年間休載状態が続きました。2018年2月からは、KADOKAWA系列を離れ、Cygamesが運営するWebコミック配信サイト『サイコミ』に移籍し、第1話から加筆・改訂された「再起動（リブート）版」が毎週日曜日に配信されました。しかし、2019年10月にサイコミでの連載休止が発表され、作者の公式サイトでは、再掲載をしつつ「ミス・マクロス編」の開始準備を進めていたものの、諸般の事情により一旦休止となったことが報告されています。今後は、サイコミと版権元のビックウエストと協議の上、連載再開の機会を待つことになっています。
あらすじ
物語は、西暦2012年、リン・ミンメイが宇宙に飛び立つ場面から始まります。その3年前、2009年。全長1200メートルにも及ぶ巨大な宇宙戦艦「マクロス」の進宙式典と、ミス・マクロスコンテストが開催される予定でした。地元の中華料理店「娘娘飯店」の看板娘であるミンメイも、コンテストに参加を予定していました。
1999年に地球に落下した謎の物体、後に「マクロス」と名付けられることになるこの物体は、未知のテクノロジーと宇宙戦争の存在を地球人類に知らしめました。地球人類は落下した物体を解析し、「地球統合政府」の樹立を急ぎました。統合政府樹立のための統合戦争は10年にも及びましたが、ようやく終結し、マクロスは修復されて宇宙へ飛び立とうとしていました。
そんな中、可変戦闘機バルキリーのアクロバット飛行中に、1機のプロペラ機が乱入します。そのパイロットこそ、エアレーサーの一条輝でした。輝は統合軍のロイ・フォッカーと再会を喜びますが、地球にはマクロスを追って異星人の艦隊が接近していました。異星人の艦隊は地球統合宇宙軍の防衛ラインを突破し、マクロスへの攻撃を開始します。成り行きから輝はVF-1Dバルキリーに乗り込み、戦いに巻き込まれていくのでした。
登場人物
主要人物
一条輝（いちじょう ひかる）: 本作の主人公。民間のエアロレーサーのパイロットで、アマチュア大会で7回の優勝経験を持つ。マクロスの進宙式にファンレーサーで乱入し、成り行きからバルキリーに搭乗する。後に地球統合軍に入隊し、最新型のバルキリーに搭乗する。
リン・ミンメイ: 横浜の中華料理店「娘娘飯店」の看板娘で、15歳の中学生。ミス・マクロスコンテストに出場するため店に来ていたところ、異星人との戦闘に巻き込まれる。赤い携帯電話を持っている。
早瀬未沙（はやせ みさ）: 地球統合軍中尉で、マクロスの主席戦闘指揮官。士官学校を首席で卒業した才女。
統合軍
ロイ・フォッカー: 地球統合軍のスカル大隊長。バルキリーのパイロットで、輝の先輩。統合戦争ではエースパイロットとして活躍した。
マクシミリアン・ジーナス: バルキリーの訓練生で、卓越した操縦テクニックを持つ。
柿崎速雄（かきざき はやお）: フォッカーの部下で訓練兵。
ブルーノ・J・グローバル: 地球統合宇宙軍の准将で、マクロスの艦長。
クローディア・ラサール: 地球統合軍中尉で、マクロスの主席航法・火器管制指揮官。フォッカーの恋人。
ヴァネッサ・レイアード, キム・キャビロフ, シャミー・ミリオム: マクロスのブリッジ付き情報管制士官。
ジーナ・バルトロウ: マクロスの技師長。
民間人
ハイマン・グエント: SDF-1改修計画推進派議員。
リン・カイフン: 音楽プロデューサーで、ミンメイの個人レッスンをしている。
ゼントラーディ軍
ブリタイ・クリダニク7018: ゼントラーディ軍の艦隊司令。
エキセドル・フォルモ: 記録参謀。
カムジン・クラブシェラ: ゼントラーディ兵。
ゴル＝ボドルザー: ゼントラーディ軍第118基幹艦隊の司令。
ラプラミズ7938, ミリア639: ボドルザー直衛部隊のメルトラン。
反統合同盟軍
ヴィクトール・グリシカ: 反統合同盟軍の潜水艦クリリスクの艦長。
謎の少女（仮称）: 反統合連合によるSDF-1襲撃戦に参戦するSv-51のパイロット。
登場兵器
本作には、テレビアニメ版をベースとしつつも、一部デザインが変更されたメカが登場します。VF-1Dは天神英貴が、VF-1J改は河森正治がデザインを担当しています。
統合軍
メガロード
SDF-1 マクロス
空母プロメテウス
強襲揚陸艦ダイダロス
VF-1A バルキリー／アーマードパック装備
VF-1D バルキリー
VF-1S バルキリー ロイ・フォッカー・スペシャル／アーマードパック装備
デストロイド・モンスター、トマホーク、ディフェンダー、スパルタン
VF-1J改 一条輝機
反統合同盟軍
改アクラ級潜水艦
SV-51
ゼントラーディ軍
* リガード、グラージ、空戦ポッド、ノプティ・バガニス
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