超高層雷放電

超高層雷放電について

超高層雷放電とは、高度20kmから100kmにかけて発生する放電による光の現象で、一般的には「スプライト」と呼ばれています。この現象は、成層圏、中間圏、下部熱圏といった大気の高層部分で確認されることが多いです。また、TLE（Transient Luminous Event）という用語が用いられることもありますが、これはオーロラや大気光を含めた広義の発光現象を指す場合があります。

発現の特徴

通常、超高層の大気では大気密度が非常に低く、対流もほとんど起きないため、気象現象はあまり見られないと考えられていました。しかし、1989年に雷雲上空（高度10km以下）での発光現象が初めて観測され、この領域においても発光が発生する可能性があることが示されました。発光現象は非常に短い時間（数ミリ秒から0.5秒程度）であり、その瞬間に強い光を放つことが特徴です。

主な種類

超高層雷放電にはいくつかの種類が存在します。ここでは、代表的なものをいくつか紹介します。

1. スプライト（レッドスプライト） - 主に中間圏付近で観測され、しばしば200km以上の高空まで伸びることがあります。色は主に赤系で、しばしば雷の直後に見られます。
2. エルヴス（elves） - 中間圏上部や熱圏下部で発生します。この現象は水平に広がる特性があり、発光のスケールは300kmから500kmに達することがあります。
3. ブルージェット（blue jet） - 成層圏上部で確認される青系の発光現象で、細長い形状を持ち、雷雲から上に伸びることが特徴です。
4. ブルースターター（blue starter） - ブルージェットの前段階としてあらわれることがある発光現象で、成層圏の下部に見られます。
5. 巨大ジェット（gigantic jet） - 中間圏へと広がる非常に大きな発光現象で、成層圏から中間圏にかけて光の道筋を形成します。
6. 地球ガンマ線放射（terrestrial gamma-ray flash） - 雷雲上部における放電現象から発されるもので、ガンマ線バースト（GRB）として観測されることがあります。
7. 電磁波バースト - 雷放電に関連して電磁波の放射が起こり、電離層の状況を大きく変化させる現象です。

まとめ

超高層雷放電は、地球の大気の中で非常に特異な現象であり、今後の研究によってさらに多くの事実が明らかになることが期待されます。これらの現象は自然の驚異であり、宇宙へとつながる広大な大気の理解を深める手助けとなります。

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