越中舟橋駅

越中舟橋駅について

越中舟橋駅（えっちゅうふなはしえき）は、富山県中新川郡舟橋村竹内に所在地を構える富山地方鉄道本線の駅です。駅番号はT07で、2000年に中部の駅百選に選ばれました。この駅の特徴的な点は、駅舎内に舟橋村立図書館が併設されていることです。

歴史の概観

越中舟橋駅は、1928年に舟橋村の村長に就任した稲田健治の鉄道敷設構想から始まりました。稲田は、舟橋村と利田村を結ぶ鉄道の計画を推進し、当初のルートから舟橋村経由に変更することを決定しました。これは利田村の反対や予算の制約を考慮した結果でした。また、稲田は村内における鉄道反対派の動きを排除するために朝鮮人労働者を動員し、工事を進めました。

その後、越中舟橋駅は1931年に開業し、1943年に富山県交通大統合により富山地方鉄道に移行しました。1990年代に入ると、駅舎の老朽化と利用者の減少が目立つようになり、富山地方鉄道は無人化を提案しました。これに対し、舟橋村は危機感を抱き、駅舎を改修し、図書館を設置することで利用者を増やす方針を決定しました。この新しい駅舎は1998年に完成し、翌年には図書館の貸出業務が始まりました。

駅舎の改築と利用者の増加

駅舎の改築に際しては、村民からの意見を基にした図書館併設計画が進行しました。新しい駅舎は、情報の中心地ともなることを目指し、1995年に構想が固まりました。開館初年度には村民一人当たり51冊の図書貸出があり、翌年には67冊に増加し、全国的に見ても高い利用率を記録しました。さらに、1993年にはパークアンドライド用の駐車場を設け、駅利用者の増加に成功しました。これに伴い、富山地方鉄道は無人化の計画を撤回し、朝の列車本数を増やしました。

駅の構造と設備

越中舟橋駅は、相対式ホーム2面2線を備えた地上駅です。平日の駅員配置時間は7時から9時までで、それ以外の時間は無人駅として扱われます。パークアンドライド用の駐車場は駅舎南側にあり、地下自由通路で連絡しています。また、かつては飲食店が入居していましたが、現在は「お※食堂」が営業を行っています。

駅周辺の施設

越中舟橋駅の周囲には、舟橋村役場、舟橋小学校、舟橋中学校、上市警察署舟橋村警察官駐在所などがあります。隣接する施設も多く、地域住民にとって重要な交通の拠点となっています。なお、駅裏の駐車場は有料化されていますが、2時間以内は無料で利用できるメリットもあります。

また、2008年には本駅に併設する図書館にニホンカモシカが侵入する事件が発生し、図書館ではこの出来事に着想を得た絵本『カモシカとしょかん』も発行されています。

結論

越中舟橋駅は、地域振興を反映させる形で進化を遂げてきました。図書館の併設や利用者の便を考えた施策を通じて、町の魅力を高めていく姿勢が評価されています。

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