越後関原駅

越後関原駅

越後関原駅（えちごせきはらえき）は、新潟県長岡市関原に存在した、越後交通長岡線に所属していた鉄道駅（廃駅）です。

駅構造

地上駅として設置されており、約10平方メートルの一階建て駅舎が設けられていました。駅舎はモルタルとコンクリートで造られていましたが、構造的な劣化が進んでいる状態でした。駅は完全に無人化されており、扉は施錠されていたため、一般の立ち入りは許可されていませんでした。かつて線路が敷かれていた跡は残されており、周囲の民家や工場、田畑といった環境の中に、廃駅としての趣を漂わせていました。

歴史

越後関原駅は、1916年（大正5年）1月5日に長岡鉄道の駅として開業しました。これは、同線の西長岡駅と与板駅の間が開通したことに伴うものです。

その後、1951年（昭和26年）12月には、西長岡駅から寺泊駅までの区間が電化されました。しかし、駅運営には困難も伴い、1954年（昭和29年）9月7日には駅の本屋（主要な駅舎）が火災により焼失するという出来事がありました。

1960年（昭和35年）10月1日には、長岡鉄道を含む新潟県内の複数の交通事業者が合併し、越後交通が発足しました。これにより、越後関原駅は越後交通長岡線の駅となりました。

時代の流れと共に旅客輸送の形態が変化し、1975年（昭和50年）4月1日には、西長岡駅から当駅までの旅客営業が廃止されました。これ以降、越後関原駅は貨物輸送のみを扱う貨物駅として運営されることになります。

貨物駅としての役割も終焉を迎え、1992年（平成4年）4月1日には、西長岡駅から当駅までの区間が休止されます。そして、翌年の1993年（平成5年）3月31日、この区間の廃線に伴い、越後関原駅はその歴史に幕を閉じ、正式に廃駅となりました。

貨物輸送

旅客営業廃止後、越後関原駅は貨物駅として重要な役割を担いました。1985年時点では、多種多様な物資を輸送するための常備貨車が配置されていました。その内訳からは、周辺地域の産業活動や需要を反映していたことが伺えます。確認されている常備貨車には、以下のようなものがありました（「昭和60年版私有貨車番号表」『トワイライトゾーンMANUAL13』ネコ・パブリッシング、2004年 より）。

LPガス専用のタキ25000形（最高使用圧力21.6kg/cm3）: 21両（日本石油輸送所有1両、日本陸運産業所有20両）
石油類（ガソリン除く）専用のタキ1500形: 5両（日本陸運産業所有）
石油類（ガソリン除く）専用のタキ2100形: 1両（日本陸運産業所有）
石油類（ガソリン除く）専用のタキ10000形: 1両（日本陸運産業所有）
石油類（ガソリン除く）専用のタキ45000形: 14両（日本陸運産業所有）
ガソリン専用のタキ3000形: 6両（日本陸運産業所有）
アニリン専用のタキ42200形: 3両（日本陸運産業所有）
希硫酸専用のタキ8100形: 2両（日本陸運産業所有）
塩化塩素（航送用）専用のタキ5450形: 3両（日本陸運産業所有）
TDI専用のタキ19600形: 2両（日本陸運産業所有）
* カーバイト専用のホキ5900形: 1両（日本陸運産業所有）

これらの貨車リストからは、燃料、化学製品、原材料など、幅広い種類の物資がこの駅を経由して輸送されていたことが分かり、地域の産業物流拠点としての機能が大きかったことがうかがえます。

駅跡地

駅が廃止された後、駅舎やホームなどの施設は全て撤去されました。かつて線路やプラットホームがあった駅の敷地は更地となり、現在は草が生い茂る状態となっています。

隣の駅

越後交通長岡線における、廃止時点での隣駅は以下の通りでした。

上除駅 - 越後関原駅 - 越後日吉駅

（上除駅が長岡方面、越後日吉駅が与板方面）

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