越戸川

越戸川（こえどがわ）

越戸川は埼玉県の和光市と朝霞市を流れる一級河川で、荒川水系の新河岸川の支流です。この川は、周囲の自然環境と密接に結びつき、地域の治水や生態系にとって重要な役割を果たしています。

地理

越戸川の水源は、埼玉県朝霞市にある陸上自衛隊朝霞駐屯地の近くに位置する七ッ釜の湧水です。この湧水は現在は暗渠化されており、一般の人々には直接確認できない状態にありますが、元々は豊かな水量を誇っていました。川は、埼玉県和光市本町の県道109号線（旧川越街道）の北側を流れ出し、一度東京メトロ和光検車区の敷地を暗渠で通過した後、再度地上に顔を出します。そして、東武東上線を越えて、和光市新倉を流れると、谷中川と合流します。その後、朝霞市下内間木で新河岸川と合流します。

上流は高い両岸に囲まれた景色を持ち、流れは速いため、マイナスイオンをたっぷりと感じられる場所です。一方、中流から下流にかけては、ほぼ平坦な地形となり、川の流れは穏やかになります。しかし、川岸はほぼ全域でコンクリート護岸が施されており、アクセスも制限されています。

近年、埼玉県の水辺再生100プラン事業に基づいて、特に支流の谷中川と合流する地点から赤池橋までの区間において、護岸の整備が進められ、人々が親しみやすい環境作りが行われています。また、赤池橋以降は越戸川赤池親水公園として親水空間が整備され、多くの市民に利用されています。

治水

越戸川は新河岸川や谷中川、白子川と共に洪水指定河川に指定されており、治水面での重要性が高いです。特に2001年に発生した洪水では、新河岸川との合流点近くでの氾濫が問題視され、その後の対策が模索されました。地域の洪水対策として、川の水位管理や流域の環境整備が進められています。

環境

かつては高度経済成長期に周辺部が宅地化され、生活排水が流入したことから水質が悪化したものの、近年は周辺の下水道整備や豊富な湧水のおかげで水質が改善されています。最近では鮎の遡上も確認され、この流域の生態系が少しずつ復活しています。しかし、ほぼ全域でコンクリート護岸が施されているため、自浄作用の期待は薄く、ゴミの投棄や川底からのメタンガスの噴出も見られるなど、依然として課題が残っています。

調査によると、越戸川にはアユやコイ、メダカ、カダヤシ、ボラなどが生息しており、特にミシシッピアカミミガメが多く見受けられます。また、強清水の湧水近くでは準絶滅危惧種であるチャイロカワモズクも確認されています。

流域の自治体と橋梁

越戸川の流域には和光市と朝霞市が含まれており、これらの自治体は川の保全や利用促進に取り組んでいます。川を横断する橋には、越戸橋や赤池橋、陽光橋といった数多くの橋が存在し、安全な通行を支えています。また、支流の谷中川もあり、自然環境の再生を目指して小さな川の流れが再現されています。

全国の水辺を再生し、持続可能な環境を築くために、越戸川は今後も大切な役割を果たすことでしょう。

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