足立祐二

足立祐二：孤高のギタリスト

足立祐二（あだち ゆうじ、1964年3月10日 - 2020年6月16日）は、日本の音楽シーンに独自の足跡を残したギタリスト、作曲家である。ロックバンドDEAD ENDのギタリストとしてその名を知られ、その卓越したギタープレイと作曲能力で多くのファンを魅了した。

生い立ちと音楽との出会い

大阪府で、木工職人の父の元に生まれた足立は、幼少期から厳格な家庭環境で育った。音楽との出会いは、イギリスのハードロックバンドUFOの「FORCE IT」を聴いたことがきっかけだった。この衝撃的な体験が、彼をギタリストへの道へと導いた。

16歳でSTEELERというバンドに参加し、初めてのステージを経験。その後、TERRA ROSAなど、いくつかのバンドを渡り歩き、経験を積んでいった。

DEAD ENDへの加入と飛躍

1986年、足立はインディーズバンドDEAD ENDに加入する。当初はサポートメンバーとしての参加だったが、その才能はすぐに認められ、正式メンバーとして迎え入れられた。DEAD ENDでは、メジャーデビューアルバム『GHOST OF ROMANCE』以降、数多くの楽曲を作曲し、バンドの音楽性を大きく牽引した。

1990年11月のDEAD END活動停止後も、山羊智詞&赤羽楽団への参加や、GOATCOREの結成など、精力的に音楽活動を続けた。GOATCOREでは、実質的なプロデューサーとしても手腕を発揮した。

ソロ活動と音楽への情熱

その後は、自身のバンド結成や、様々なアーティストのサポートミュージシャンとして活動。ギターだけでなく、ヴォーカルやドラムも担当するなど、多彩な才能を発揮した。一時、左耳の不調で音楽業界から離れるも、RYUICHIからのオファーをきっかけに復帰。2005年には、15年ぶりとなるソロアルバム『You's Alien』をリリースし、健在ぶりを示した。

2009年には、DEAD ENDを再結成し、再びその名を轟かせた。

突然の別れ

2020年6月16日、足立祐二は敗血症のため急逝した。56歳という若さだった。その死は、多くのファンや音楽関係者に深い悲しみをもたらした。

同年8月9日深夜には、TOKYO FMで追悼特別番組『ギタリスト 足立祐二 追悼特別番組 ～ You's Alien』が放送され、彼の音楽と人となりを偲んだ。

音楽性：孤高のギタリスト

マイケル・シェンカーからの影響を公言していた足立だが、自身の音楽スタイルを確立することに強いこだわりを持っていた。好きなギタリストの機材を真似たり、同じような音楽を聴くことを避け、独自の音を追求した。

彼は、「10個のいろいろなフレーズを持つことよりも、誰よりも突出した、研ぎ澄まされたクオリティのフレーズを3つだけ持っていたい」という信念を持ち、一音の強烈さ、究極の一音のために時間と努力を惜しまなかった。

使用機材

Freedom C.G.R. ST "YOU" MODEL Type-III（足立"YOU"祐二モデル）
FERNANDES NTG-YOU"まりんちゃん。"（足立"YOU"祐二シグネチャーモデル）

ディスコグラフィ

ソロアルバム

PSYCHICAL ISLAND （1990年9月21日）
You's Alien （2005年8月24日）
Maniac Love Station （2013年4月3日）
ANDROMEDIA （2019年3月13日）
* YOUCOUSTIC （2020年3月18日）

足立祐二は、その短い生涯の中で、音楽に対する情熱と、独自の音楽性を追求する姿勢を貫いた。彼の音楽は、これからも多くの人々に感動を与え続けるだろう。

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