跳腰

跳腰（はねごし）

跳腰は、柔道の投技である腰技の一種で、相手を自身の腰に乗せ、片方の足で相手の足を跳ね上げるようにして投げる技です。講道館や国際柔道連盟 (IJF) で正式に認められています。IJF略号はHNGです。

概要

跳腰は、相手を右または左後ろ腰に乗せ、膝を「く」の字に曲げた状態で、その曲げた脚と同じ側の相手の脚を跳ね飛ばして投げる技です。

この技は、講道館初の十段を与えられた山下義韶が発明したとも伝えられていますが、実際には柔術時代から存在した帯取り腰という技が原型であると考えられています。短袖・短袴の時代には、相手の前帯を順手または逆手で取って掛けていましたが、柔道着の袖が長くなったことで、袖と襟を取って投げる形へと変化し、山下が跳腰と名付けたと言われています。

多くの教科書では、「内股のような腰技」と解説されることが多いですが、実際には、跳腰が内股の原型になったという歴史的背景があります。（詳しくは、内股の項目を参照してください。）

相手を両手を挙げさせるように強く手前上方に引き、前隅に崩しながら、前回りさばきで腰を入れます。膝を軽く「く」の字に曲げ、体側部全体に相手を乗せるようにして持ち上げ、手前に大きく投げ落とします。

脚の側面ではなく、膝裏から脹脛を使って横から払って投げると払腰となり、相手の逆足に掛けると内股になります。

これらの技と比較して、跳腰は「綺麗な」形であり、実戦で見られることは少なくなりました。しかし、明治時代の後半から昭和の戦前にかけては、一世を風靡した流行技でもありました。全日本選士権大会の専門の部を制した尾形源治や楠力、山本正信、田中末吉などがこの技を得意としていました。

跳腰に対する特有の返し技としては、跳腰返があります。跳腰をやり返した場合は、「跳腰」として記録されます。

大外跳腰

大外跳腰は、右組の場合、相手を相手の右後隅に倒す大外刈で投げたような形になる跳腰です。後に講道館指導員を務めた高田勝善が得意とし、彼がそう呼んでいました。

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