踊るウィーク・エンド

1964年11月7日から1965年8月28日まで、TBS系列で放送されたバラエティ番組『踊るウィークエンド』。福助の一社提供による、毎週土曜19時からの30分番組でした。

この番組は、ダンスをメインとした視聴者参加型の番組という点が大きな特徴です。毎回、サーフィン、マンボ、ツイストの3つのダンスの中から1つがテーマとして選ばれ、番組はそのテーマダンスを中心に展開されました。

番組の流れとしては、まずスタジオNo.1ダンサーズと呼ばれる、プロのダンサーたちがその回のテーマダンスを披露することから始まりました。華麗なステップとキレのある動きで、視聴者に見事なダンスを魅せつけた後、いよいよ一般参加者によるダンスへと移行します。

一般参加者は、事前に番組への応募によって選ばれた方々です。番組では、人気歌手として知られていた坂本九が参加者たちのリード役を務め、一緒に踊ることで、ダンスが苦手な方でも安心して参加できるような雰囲気づくりに配慮していました。

坂本九の軽快な呼びかけと、参加者たちの笑顔と熱気に満ちたダンスは、当時の人々の間に大きな喜びと活気を与え、番組の人気につながったと考えられます。また、スタジオNo.1ダンサーズの高度なダンス技術も、視聴者の目を楽しませる大きな要素でした。

番組の構成は、後の国民的司会者として知られるようになる大橋巨泉が担当していました。この番組は、大橋巨泉の構成作家としての才能が開花した最初の成功例の一つと言えるかもしれません。彼の持ち前のセンスとユーモアが、番組全体に軽妙な雰囲気をもたらし、視聴者の心をつかんだ要因の一つでしょう。

振付は、浦辺日佐夫が担当。彼の卓越した振付技術が、番組のダンスシーンを魅力的に彩っていました。

『踊るウィークエンド』は、ダンスを通じて人々を繋ぎ、楽しい時間を共有する場を提供した番組でした。高度なダンス技術と視聴者参加型の形式、そして人気者である坂本九と構成作家大橋巨泉の起用など、様々な要素が組み合わさり、当時のテレビ界に大きな足跡を残す人気番組となりました。短い放送期間ではありましたが、多くの視聴者に記憶に残る、明るく楽しい番組だったと言えるでしょう。

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