大橋巨泉

大橋 巨泉

大橋 巨泉（おおはし きょせん、1934年3月22日 - 2016年7月12日）は、日本の著名なテレビタレント、放送作家、政治家である。彼の本名は大橋 克巳（おおはし かつみ）であり、その「巨泉」という芸名は俳号から名付けられたものである。巨泉は、エンターテインメント業界での活動のみならず、競馬評論家やジャズ評論家、時事評論家としても名を馳せ、さらに馬主としても知られた。その多才さから日本のマルチタレントの先駆けとも言える存在となった。

生い立ち

東京府本所区（現在の東京都墨田区）で生まれた巨泉は、家族がカメラの部品製造や小売業を営んでいた。幼い頃からの友人であった萩本欽一とともに成長し、実家のカメラ屋での経験は後の彼のキャリアに少なからぬ影響を与えた。第二次世界大戦中は疎開生活を送ったが、戦後すぐにジャズに対する強い憧れを抱くようになった。

アメリカへの憧れと学業

「アメリカへの憧れ」を実現するため、英語を習得しようと猛勉強を始めた。日本大学に進学するも、順調にはいかず中退。その後、ジャズ評論家や放送作家としての道を歩む中、早稲田大学在学中にはコンサートの司会などに積極的に参加。名付け親でもある彼の芸名の「巨泉」は、この時期に生まれたもので、他者よりも早く頭角を現した。

芸能界への道

巨泉はテレビ司会者としてのキャリアをスタートさせる前、ジャズ喫茶を訪れ常に新しい音楽を求めていた。最初の妻マーサ三宅と結婚した後、サラリーマン生活を試みるも早々に辞め、すぐにジャズ評論や放送作家として活動。次第に人気が高まり、日本テレビの『巨泉・前武ゲバゲバ90分!』や『11PM』の司会者としても名を知られるようになる。特に『11PM』では競馬や麻雀をテーマにしたコーナーを自ら提案し、成功を収めた。

競馬評論家としての活動

巨泉は競馬評論家としても広く知られています。彼の著書や出演番組ではファンの声を反映した評論が多く、特に「土曜競馬ニッポン」「日曜競馬ニッポン」などの番組では彼自身の独自の見解が高く評価されていました。彼はまた、自ら馬主としても活躍し、東京優駿（日本ダービー）に出走させた経験もあります。

政治家としての活動

2001年、巨泉は民主党から参議院議員に立候補し当選するが、党内での意見の不一致からわずか6カ月で辞職することになる。彼は政治の世界でも独自の意見を持つ人物であり、後にまた民主党に対する批判も展開した。

晩年と逝去

病に悩まされながらも多くのメディアで活躍し続けた巨泉は、2016年に亡くなる。彼の死を悼む声は多く、芸能界やファンの間での影響は計り知れないものだった。

本書は、巨泉の圧倒的な存在感と多彩な才能を持つ彼の生涯を振り返るものであり、視聴者だけでなく、彼と関わった多くの人々にとっても印象深い存在だったことを示している。

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