蹴上発電所

蹴上発電所の概要と歴史

概要

蹴上発電所（けあげはつでんしょ）は、京都市左京区に位置し、関西電力が管理する水力発電所です。この発電所は、琵琶湖第一疏水から水を取り入れ、琵琶湖疏水へと放水しています。水力を活用するこの施設は、地域における重要なエネルギー供給源となっており、多くの人々に親しまれています。

歴史

蹴上発電所には、長い歴史があります。1890年に琵琶湖疏水第一疏水の通水が始まったのを受けて、翌1891年に第一期蹴上発電所が運行を開始しました。この発電所は営業用として日本で初めての水力発電所であり、当初は近隣の蹴上インクラインの動力源として使用されました。また、1895年に開通した京都電気鉄道（後の京都市電）でも同発電所からの電力が利用されました。

1912年、第二疏水が完成した際には第一期の発電所は取り壊され、新たに第二期蹴上発電所が開業しました。この建物の正面には、久邇宮邦彦王による「功天亮」という文字が彫られた扁額が掲げられています。1936年には第一期発電所の跡地に第三期発電所が建設され、現在も運営されています。

1942年には京都市から関西配電に移管され、その後2022年現在では関西電力が管理しています。第二期発電所の特徴的なレンガ造りの構造物は残されていますが、現在は発電に使用されていません。一方で、白いコンクリート造りの第三期発電所は現役で運転を続けています。

2001年には「琵琶湖疏水の発電施設群」として、夷川発電所や墨染発電所と共に土木学会が選奨する土木遺産に認定されました。また、2016年には米国電気電子学会（IEEE）から『IEEEマイルストーン』に認定され、多くの技術者や研究者から注目されています。

見学会の実施

2018年の2月5日には、関西電力による蹴上発電所の見学会の募集が開始されました。この見学会は、毎週金曜日の午前と午後の2回に分けて開催され、定員は各回20人に制限されており、予約が必要です。参加者は発電所の歴史や技術、発電の仕組みについて学ぶことができ、発電所の内部を間近に見る貴重な機会となっています。

攻撃的な排水方式で実現されている蹴上発電所は、歴史的にも技術的にも貴重な存在であり、今後も地域に貢献し続けることでしょう。

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