身体障害

身体障害の概念

身体障害（しんたいしょうがい）は、先天的または後天的な理由により身体の機能に障害が生じている状態や、その障害そのものを示します。この概念には、手足の欠如や麻痺などの肢体不自由のほか、脳の障害による運動機能の不全、視覚障害や聴覚障害、さらには内部の器官に障害が発生することも含まれます。

身体障害の種類

身体障害を大きく分けると、次の5つのカテゴリーがあります：
1. 視覚障害
2. 聴覚障害・平衡機能障害
3. 音声・言語障害（咀嚼障害を含む）
4. 肢体不自由
5. 内部障害
いずれの障害も、身体障害者福祉法に基づいて支援の対象となる場合があります。特に肢体不自由は最も一般的で、身体障害者手帳を持つ人の約半数を占めています。

重複障害の考え方

身体障害を先天的に持つケースでは、知的障害などを併せ持つことがあり、この状態を重複障害と呼びます。また複数の障害を持つ場合も同様に重複障害とされ、一人ひとりの状況に応じた適切な支援が求められています。

障害に対する用語の変遷

過去には「片輪」や「不具者」などの言葉が使われていましたが、これらは現在では差別用語と見なされており、日常会話の中でもほとんど使われなくなりました。現代では「障害」という表記が広く用いられていますが、その表記については様々な見解が存在しています。1945年の内閣告示を受けて「障害」の表記が公に採用され、2010年には新たな漢字表についての見解が出されました。

身体障害者の増加傾向

身体障害者の数は年々増加していますが、特に高齢者の割合が高く、65歳以上の方々が60%以上を占めています。高齢化が進む日本では、今後も身体障害者の数は増えていくことが予測されます。また、障害を持つことに対する社会の理解が深まってきたため、障害の認定を受ける人も増えていると考えられます。

公的支援の概要

日本政府による身体障害者への支援は、身体障害者福祉法に基づいて行われます。この法律では、身体障害者手帳や、戦傷病者特別援護法に基づく支援が用意されています。18歳未満の身体障害者は別の支援制度が適用されるため、支援内容が異なる場合もあります。

身体障害者手帳の実際

身体障害者手帳は、障害の程度に応じて1〜6級に分類され、公共交通機関の割引を受ける際の重要な基準となります。クラス分けは、種別（第1種・第2種）と障害等級によって評価されます。、

有用なマーク

日本では、身体障害者が運転していることを示すための標識（通称「クローバーマーク」）が設けられています。このマークは、肢体不自由者が安心して道路を利用できる環境を整えるためのものです。

関連機関

身体障害には関連するさまざまな運動や団体があります。たとえば、パラリンピックや全国障害者スポーツ大会など、障害者のスポーツ活動を促進するためのイベントが開催されています。また、障害者に関する法整備や支援制度も多岐にわたります。

このように、身体障害を持つ方々への理解と支援が進んでいる中で、今後の社会が、より多様なニーズに応えていくことが求められています。

もう一度検索