肢体不自由者

肢体不自由者とは

肢体不自由者（したいふじゆうしゃ）は、身体障害者福祉法や学校教育法などの法律において、身体に障害がある人々を分類するための用語です。この言葉は、日常の動作や姿勢の維持が難しい、さまざまな障害を抱えた人々を指します。

概要

肢体不自由者は先天的または後天的な原因によって、四肢に麻痺や欠損、または体幹機能障害を持つ人々です。幸福なことに身体障害者手帳を所持する人の中で、肢体不自由者が占める割合は非常に高いとされ、特に多くの方が脳疾患に起因する障害を抱えています。このように、脳性麻痺（CP）などが主な原因とされ、肢体不自由者は身体障害者の中でも大きなグループを形成しています。

書籍によっては、このグループを「運動障害者」と呼ぶこともあります。

原因疾患

肢体不自由者の障害の原因は多岐にわたります。先天的な場合は、母体への薬剤投与が影響することがあります。後天的な原因の多くは脳疾患であり、特に脳性麻痺が約8割を占めるとされています。また、脳梗塞や四肢切断、骨肉腫、糖尿病性壊疽、脊髄損傷なども肢体不自由の要因となり得ます。

教育について

日本では、学校教育法において「肢体不自由教育」が定められています。一般的には、通常の学校での教育に準じた指導が基本とされています。肢体が不自由でも教育受ける能力に問題がなければ、通常の学級に通うことができます。しかし、通常学級に通うことが難しいほど重度な肢体不自由者のためには特別支援学校が設置されており、そこではより特化した教育が行われています。

特別支援学校は医療型障害児入所施設との併設が多く、医療的支援を受けながら学習する環境が整っています。学級においては、同じ学年の内容を学ぶ「準じた指導」や基礎的な内容を扱う学級もあります。知的障害を伴う場合は、それに応じた内容が提供されることもしばしばです。

肢体不自由の等級

肢体不自由は、主に上肢、下肢、体幹の機能によって評価されます。脳性麻痺などの非進行性の脳病変による運動機能障害は、脳原性運動機能障害として評価され、具体的には可動域や筋力で判断されます。

上肢不自由

上肢の機能障害は、肩や肘、手首、手指に分けられます。上肢の全くの機能喪失や、非常に軽い運動しかできない状態が評価されます。

下肢不自由

下肢の機能においては、立ち上がれない状態や段差の昇降が難しい場合などが問題となります。

体幹不自由

体幹の機能については、坐ることができない場合や、部分的に支えが必要な状態などによって等級が決まります。

関連項目

肢体不自由者に関する理解を深めるためには、障害者権利条約や特別支援教育に関する法律、そして他国の取り組みなどを学ぶことも重要です。

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