身体障害者補助犬法

身体障害者補助犬法について

身体障害者補助犬法は、身体障害を持つ人々の自立と社会参加を促進することを目的とした法律です。この法律は、盲導犬、介助犬、聴導犬といった補助犬の同伴を公共施設や交通機関で認めることで、障害を持つ人々の社会生活を支援することを目的としています。

法律の目的と施行

この法律は、2002年5月29日に公布され、同年10月1日から施行されました。ただし、介助犬や聴導犬の訓練に関する規定は2003年4月1日、民間施設における補助犬同伴の義務化に関する規定は同年10月1日に施行されました。

補助犬の定義

身体障害者補助犬とは、具体的には盲導犬、介助犬、聴導犬の3種類を指します。これらの補助犬は、身体障害者の日常生活をサポートするために特別な訓練を受けています。

法律の構成

この法律は4つの章で構成されており、特に第4章では、施設における補助犬の同伴に関する規定が定められています。

施設等の義務

• - 国や地方公共団体、独立行政法人などが管理する施設では、身体障害者が補助犬を同伴することを拒否してはならないと定められています。
• - 公共交通機関（鉄道、バス、タクシー、航空会社など）も、身体障害者が補助犬を同伴することを拒否できません。
• - スーパーマーケット、デパート、ホテル、レストランなど、不特定多数の人が利用する施設でも、補助犬の同伴は認められています。
• - 事業主は、従業員が職場内で補助犬を使用することを拒否しないよう努める必要があります。
• - 住宅管理者も、居住者が住宅内で補助犬を使用することを拒否しないよう努める必要があります。

補助犬同伴者の義務

• - 補助犬を使用する人は、厚生労働省令で定められた方法で、補助犬が訓練された犬であることを示す表示をしなければなりません。
• - 補助犬が公衆衛生上の危害を及ぼす恐れがないことを示す書類を所持し、必要に応じて提示しなければなりません。
• - 補助犬が他人に迷惑をかけないよう、適切な行動管理が求められます。

一部改正

2007年12月には、この法律の一部改正が行われました。これにより、補助犬に関する相談窓口の設置や、一定規模以上の民間企業における補助犬使用の義務化などが定められました。

施行後の状況と問題点

補助犬の受け入れについては、いくつかの問題が報告されています。例えば、盲導犬の入店拒否や、介助犬同伴での試験受験の拒否などが挙げられます。これらの事例は、法律の施行後もなお、補助犬に対する理解が十分でないことを示しています。

補助犬の実働頭数

現在、日本国内で活躍している補助犬の数は以下の通りです。

• - 盲導犬：1,067頭
• - 介助犬：62頭
• - 聴導犬：19頭

合計：1,139頭

関連法規

• - 高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律（交通バリアフリー法）
• - 身体[[障害者福祉法]]

まとめ

身体障害者補助犬法は、身体障害者の社会参加を促進するための重要な法律です。しかし、実際の運用においては、補助犬に対する社会全体の理解と協力が不可欠です。今後も、この法律の適切な運用と、補助犬を必要とする人々への支援が求められます。

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