車掌 (銀河鉄道999)

車掌（しゃしょう）について

車掌は、松本零士の漫画作品『銀河鉄道999』に登場するキャラクターであり、銀河鉄道株式会社の一員です。彼は999号の車掌として、物語において重要な役割を果たしています。彼の本名や詳細な経歴は謎に包まれていますが、自らが10万以上の銀河鉄道規則を暗記していると豪語しています。ただし、時折手帳をめくって規則を確認する様子も見られるため、その実際の記憶力には疑問の余地があります。

キャラクターの特徴

車掌は、松本零士の作品において星野鉄郎やメーテル同様に重要なレギュラーキャラクターです。特に、TVアニメ版では列車が停車する前に乗客や視聴者に停車駅や停車時間を知らせる役割を持っています。彼の知識は広く、乗客に銀河鉄道の世界を案内する存在として描かれています。また、車掌は制服を着用しており、その姿は紺色のダブルボタンの上着、制帽、そして「999」と黄文字で書かれた腕章が特徴です。

形状については頭部が影に覆われ、光る目が印象的です。連載当初は細身の身体でしたが、アニメ化に伴い体型がふくよかになり、台詞もカタカナから普通の日本語に変更されています。

車掌の性格と行動

彼の性格は非常に真面目で、鉄郎から「くそまじめ」と評されるほどです。乗客には敬称をつけて話し、忠実に規則を守ろうとしますが、優柔不断な部分もあり争いごとを避ける傾向があります。しかし、規則を破って列車を妨害する者に対しては毅然とした態度をとることもあります。

職務に関しては非常に知識が豊かで、時には運行のダイヤよりも乗客の安全を優先しようとすることがあり、その結果、機関車とのやり取りで言い争うことも多いです。例えば、機関車が乗客を置き去りにした際には、職務放棄をする場面も見られました。

鉄郎との関係

物語の初期では、冷酷にも乗客を規則に従って外に放り出す描写がありましたが、物語が進むにつれ鉄郎やメーテルとの関係が深まる様子が描かれます。彼は次第に厳格な車掌から、乗客を思いやる存在へと変化していきます。鉄郎を「お客さん」と呼んでいたが、次第に「鉄郎さん」や「メーテルさん」と呼ぶようになりました。特に彼の態度に変化が見えたエピソードでは、鉄郎を助けるために規則を破ることもあり、このことは彼の成長を示しています。

過去の魅力

車掌の過去が明らかになるエピソードもあり、彼は以前、美女マーベラスと交際していた時代があったことが語られます。その恋愛経験は、彼の性格に影響を与えたと言えるでしょう。彼がかつて抱いていた夢について語る場面もあり、その時の思い出が彼の人格を形成する要素となっているのです。

正体の謎

車掌の正体は非実体の存在であることが物語の中で明かされていきます。高圧ガス体であり、近くにいる他者には影が見えるのみです。そのため、服を脱ぐことは自分をさらけ出すことに繋がるため、入浴を避けようとしますが、実際には楽しむ姿が描かれています。彼は、この特異な体であることを恥じる一面もあり、視聴者には彼の正体が劇場版で明かされる運びとなっています。

声優とその影響

アニメ版では、肝付兼太が車掌の声を担当しており、多くの作品でその役割を演じ続けています。声の表現がキャラクターの印象を強め、観る者に深い感情を呼び起こします。また、その他の媒体でも様々な形で登場し、車掌の存在はますます広がりを見せています。彼のキャラクターは、作品を超えて多くのファンに愛されています。

このように車掌は『銀河鉄道999』に欠かせない存在であり、真面目ながらも親しみやすい性格で、物語の進行とともに成長し続けるキャラクターです。

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