軌道 (鉄道)

軌道の概念と種類

軌道（きどう）とは、列車が走行するための構造物を指し、具体的にはレール、レール締結装置、枕木、道床など、道床の上にある要素を総称します。日本では、国有の鉄道や高速鉄道に加え、特に路面電車の軌道もこの範疇に入ります。このため、軌道法や鉄道事業法に基づき、管轄や運用が異なることがあります。

軌道の分類

軌道はその道床の構造に応じてさまざまな種類に分類されます。以下に主な分類と特徴を紹介します。

1. バラスト軌道

バラスト軌道は、砕石や砂利を一定の厚さに敷き詰めたもので、列車の荷重を分散させる役割を果たします。これは一般的な鉄道で広く使用されています。

2. 直結軌道

コンクリート製の道床を使用する直結軌道は、メンテナンスが容易で、長大なトンネルや高架橋、地下鉄などの狭いスペースでも適用されます。

3. スラブ軌道

スラブ軌道では、道床に鉄筋コンクリートの平板を用い、特に都心部での振動や音の影響を軽減します。

4. 弾性枕木直結軌道

この軌道では、コンクリートの道床にゴムなどの弾性材を使い、振動を吸収しつつ枕木を設置します。振動と音を低減しつつ、走行性能を向上させることができます。

5. TC型省力化軌道

バラストと枕木を充填材で結合させた省力化軌道で、施工が簡略化されているのが特徴です。

6. E型省力化軌道

この軌道は、まくらぎの太さを通常の約3.5倍に増し、アスファルト系の材料で固めることで安定性を向上させています。

7. バラストラダー軌道

一般的なバラスト軌道の中でも、特に枕木にラダー枕木を使用したものです。精度の高い施工を可能にします。

8. フローティングラダー軌道

弾性材を用いて振動と騒音を低減させる構造を持つラダー枕木を支持することで、快適な走行を実現しています。

9. 弾性バラスト軌道

コンクリートの道床に弾性材を加え、さらに消音バラストを敷設した構造です。この軌道も振動や騒音の低減に寄与しています。

通常のバラスト軌道以外は、狂いが生じにくい省力化軌道として分類され、更なる効率化が求められています。

特殊な軌道

一般的な鉄道軌道とは異なる特殊な設計を持つ軌道も存在します。

1. ラック式

急勾配に対応するため、ラックレールが追加されている軌道です。这によって、山岳地帯での昇降が可能となります。

2. インファンド工法

併用軌道としてコンクリート内にレールを埋め込む手法で、主に都市部での運行に適しています。

3. 札幌方式

札幌市営地下鉄で用いられるこの方法は、コンクリート路盤に鉄板を敷設し、中央に案内軌条を設置する構造です。

4. 軌匡

すでにレールと枕木が組み立てられており、簡単に敷設できるタイプの軌道です。

このように、軌道はその構造、用途、メンテナンスの容易さに応じて多様に分類され、地域の交通インフラにおいて重要な役割を果たしています。

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