軍閥時代

軍閥時代（1916年〜1928年）

軍閥時代は、中華民国における内戦の混乱期で、1916年から1928年までの約12年間を指します。この時期、中国は袁世凱の死により中央の統制が失われ、各地に分立する軍閥が興隆しました。これら軍閥は、自己の地盤を強化するために、地主階級との結びつきや列強の後ろ盾を利用し、地方ごとの支配を目指しました。

軍閥の特徴とその影響

この時代の軍閥は多様でしたが、共通する特徴は、中央の統制を受けずに独自の私兵を持ち、各地に自己の王国を形成していることです。小規模な軍閥から大規模な軍閥までさまざまであり、時には数千人の兵力を持ちながらも、流動的な関係性を維持していました。これら軍閥間で繰り広げられた戦争は、表面的には激しいものでしたが、実際は戦闘の前に威嚇を行い、電報で戦況を公表したり、敵を買収したりするなど、実際の衝突は少ないものでした。

戦争の際には、火力の優位性が勝敗を決定し、将軍たちはあまり多くの兵士が戦死しない方法を選びました。こうした状況の中で、軍閥は自らの経済的負担を軽減するため、地域住民から先取りした租税を使い、さらには不換紙幣を発行していました。

兵士たちの待遇は悪く、給料の未払いも多かったため、士気は低下。略奪が横行し、住民生活は貧窮化していきました。国際的には、北京政府が正統政府として承認されていましたが、実際には軍閥が実権を握り、各国は軍閥との個別交渉を行うことで、影響を拡大しようとしていました。

歴史的背景

清朝時代においては、正規軍の腐敗や無能が目立っていました。太平天国の乱や日清戦争では、李鴻章が指揮する私兵がしばしば活躍しましたが、結局、清朝は旧弊を残したまま運営されていました。これを背景に、袁世凱は北洋軍を設立し、清朝に代わる権力を築いていきます。1911年から1912年の辛亥革命では、新軍が革命派に同調し、袁世凱は中華民国の大総統となりました。

しかし、袁世凱の死後、中国は再び軍閥の抗争時代を迎えます。この時期においては、北洋軍閥と革命派が争う形で内戦が続き、やがて1920年の安直戦争、1922年の奉直戦争などが引き起こされました。各軍閥は地方ごとに根拠地を持ち、抗争は熾烈さを増していきます。

国民革命軍の台頭と終焉

1926年から1928年には、新たな指導者蔣介石を中心に国民革命軍が北伐を開始。これに対抗する形で直隷派や奉天派が軍事同盟を結びましたが、国民革命軍は続けて北進し、最終的に北京を占領します。これによって、張作霖は制圧され、軍閥時代は一応の終焉を迎えましたが、各地の軍閥はその影響力を残し続けました。

このように、軍閥時代は中国における権力の抗争とそれによる社会の混乱が顕著な時期であったと言えるでしょう。

もう一度検索