軸受

軸受（じくうけ）とは

軸受は、機械の回転や往復運動を支える部品であり、荷重を受けることで効率的に軸などを支持します。一般的に「ベアリング」とも呼ばれ、英語の「bearing」がそのまま使われています。この言葉は「支えるもの」という意味を持ち、その機能を端的に表しています。もちろん、様々な機械装置で使用され、特に輸送機器などにおいては必需品となっています。回転する部品がある機器には、必ずと言っていいほど軸受が存在し、その重要性は日々の生活の中で実感されています。

特徴と機能

軸受の主な役割は、軸を正確かつ滑らかに回転させることです。摩擦によるエネルギーロスや発熱を軽減し、部品が焼きつくのを防ぐことが求められます。こうした特性から、軸受は「機械産業の米」とも言われ、その市場は巨大です。2018年の世界出荷額は約4兆2600億円に達しており、SKF（スウェーデン）やシェフラー（ドイツ）など、多くの企業がシェアを争っています。特に、上位の日本企業である日本精工、NTN、ジェイテクトは、世界市場の4割近くを占めています。

分類

用途や構造による分類が特徴的で、主に次のような基準で分類されます。

• - 転がり軸受: 転がり運動をするもので、代表的なものに玉軸受（ボールベアリング）やころ軸受（ローラーベアリング）が含まれます。
• - すべり軸受: 作動流体の種類により油軸受と空気軸受に分かれ、スリーブベアリングがその一例です。
• - 磁気軸受: 磁気によって回転部分を支え、無重量状態を利用して設計されています。
• - 流体軸受: 気体やオイルを使用し、摩耗しにくい特性があります。

さらに、荷重の種類による分類もあり、ラジアル軸受が径方向の荷重を受け、スラスト軸受が軸方向の荷重に対応します。その他にも無給油軸受や静圧軸受など、様々な種類が存在しています。

歴史

軸受の歴史は古く、古代エジプトの壁画には軸受を使った火起こしの描写があります。特に注目すべきは、共和政ローマ時代に存在した回転テーブル用の木製の玉軸受です。その後、レオナルド・ダ・ヴィンチのころ軸受のスケッチや、1590年ころにはアゴスティーノ・ラメッリによるさらなる発展が見られました。

19世紀にはフリードリヒ・フィッシャーが円形のボールを製造する機械を開発し、産業化を促進しました。ヘンリー・ティムケンは1898年に円すいころ軸受の特許を取得し、その後も多くの革新が続きました。現代では、超高速回転用の軸受が様々な用途で利用され、航空宇宙分野など多岐にわたっています。

主要ベアリングメーカー

現在、世界には多くのベアリングメーカーがあります。特に上位にあるのは、SKFやシェフラー、NTN、日本精工などで、いずれも軸受市場で重要な役割を果たしています。これらの企業は、最新技術を駆使して高性能な軸受を製造しており、機械工業全般において不可欠な存在となっています。

このように、軸受はただの部品ではなく、機械の効率的な動作に欠かせない重要な要素であり、これからもその発展が期待されます。

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