すべり軸受

すべり軸受について

すべり軸受は、軸が滑り面で支持されるタイプの軸受です。主に、油軸受と空気軸受に分類されます。これらは作動流体によって異なる特性を持ち、潤滑や給脂が行われることで、軸と軸受の摩擦を軽減し、接触や凝着を防ぎます。

多くの場合、軸は鋼製であり、摩擦や接触による問題を避けるために、真鍮や青銅などの銅合金もしくはプラスチック製のブッシュが使用されます。このようなブッシュは、油膜と呼ばれる潤滑層を形成し、動作を円滑にする役割を果たします。また、初歩的な使用ケースでは、グリスを封入して潤滑を助ける方法が一般的です。

軸受の設計においては、異物が内部に侵入するリスクを考慮し、比較的柔らかい材料が選ばれることが多いです。これは、異物を効果的に埋蔵するためです。しかし、場合によっては硬質なセラミックが用いられることもあります。

すべり軸受の性能の指標の一つとしてPV値があります。PV値は、P（軸受け面圧）とV（軸の周速）を掛け算したもので、この値が示す範囲が使用可能な領域をガイドしています。摩擦によって発生する熱が熱伝導による放熱を上回ると、軸受の材料が溶融し、焼きつく原因となります。これを防ぐため、適切な材質の選定が不可欠です。

より厳しい条件で使用される場合、特殊な合金が採用されます。特に、組立後の初期のなじみ性や耐疲労性、耐摩耗性など、さまざまな相反する特性が求められるため、多層構造の軸受けが用いられることもあります。これにより、それぞれの特性を両立させることが可能になります。含油軸受や静圧軸受も、すべり軸受の一形態として分類されます。

ブッシュの概要

ブッシュとは、独立したすべり軸受であり、ハウジングに挿入されて回転可能な軸受面を提供する部品です。すべり軸受の中では最も一般的な形態であり、その使用は広範囲にわたります。ブッシュにはいくつかのタイプがあり、代表的なものにはソリッドブッシュ、スプリットブッシュ、クレンチベアリングがあります。

• - ソリッドブッシュ：全周が一体型で構成されているもので、強度や耐久性に優れています。
• - スプリットブッシュ：長さに沿って切り込みが入ったデザインで、取り付けや取り外しが容易です。
• - クレンチベアリング：スプリットブッシュに似ていますが、部品をつなぐ切り込みにクレンチ（クリンチ）を用いています。

また、フランジ付きブッシュもあり、これはスリーブブッシュの一端に外径から半径方向に伸びるフランジが取り付けられたものです。フランジは取り付け時の位置決めや、スラスト軸受面としての役割を果たします。

このように、すべり軸受およびブッシュには多様なプロファイルと機能が存在し、それぞれの用途に応じて選定が行われる必要があります。

参照項目

• - バビットメタル（軸受合金）
• - 転がり軸受
• - 流体軸受
• - 浮動ブッシュ軸受

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