軽装甲機動車

軽装甲機動車（LAV）

軽装甲機動車（けいそうこうきどうしゃ）は、陸上自衛隊と航空自衛隊に装備されている装輪タイプの装甲車です。製造を小松製作所が担当し、防衛省ではLAV（Light Armoured Vehicle）と略称され、「ライトアーマー」という愛称でも親しまれています。

概要

この車両の主な目的は、普通科などの隊員の防御力と移動力を高めることにあり、性能と任務は歩兵機動車に類似しています。目立った武装はないものの、乗員は天井ハッチから身を乗り出して火器を使用することができるようになっています。車体は装甲されており、避弾経始も考慮されていますが、防弾や防爆性能については詳細が公開されていません。また、軽量かつコンパクトな設計のため、C-1輸送機やCH-47輸送ヘリコプターによる輸送が可能です。

この軽装甲機動車は、1997年度から開発が始まり、2000年度に部隊使用の承認を受けました。モデルチェンジが比較的短い周期で行われ、多くの民生部品が採用されているため、制式名称が付けられていません。

評価

軽装甲機動車の整備は、従来の装甲車両に比べて機動力と防護力を大幅に向上させることに貢献しています。イラクやハイチなど過酷な環境でもその性能を発揮し、災害時にも迅速な展開が求められる場面での活用が期待されています。

使用状況

部隊では、従来の汎用車両（1/2tトラック）に代わって軽装甲機動車が使用されています。しかし、サイズや重量が原因で、「フロントガラスが分割されて視界が悪い」「エンジン音や振動が大きい」「長距離の移動が疲れる」など使用者からの不満も出ています。また、込み入った場所では駐車スペースの確保に難航することもありました。ただし、エアコンの効きは従来車両よりも優れているとの評価もあります。

武装

軽装甲機動車には固有の武装はありませんが、一部の車両には全周旋回可能なターレットと防楯付き銃架が設けられ、機関銃などを搭載することができます。これにより、車両の防御力を補完しています。

調達状況

軽装甲機動車は、陸上自衛隊向けに1829両が配備されており、航空自衛隊向けにも約119両が導入されています。調達は比較的早いペースで進められ、標準装備としてクーラーも搭載されています。調達価格は年度によって異なり、コスト削減に向けた努力が行われています。

仕様のバリエーション

軽装甲機動車は、仕様によっていくつかのタイプに分かれています。無線機や発煙弾発射機、機関銃を装備したものがあり、部隊の運用に応じた選択がなされています。国際活動用の仕様もあり、外部環境に対応した改良が施されています。

後継車両

2019年には、この軽装甲機動車の後継車両の技術資料作成が入札され、次期装甲車両の開発が進められています。新しい車両は更なる防護力や機動力の向上が計画されています。

モデルと登場作品

軽装甲機動車は、プラモデルやラジコンとしても商品化されています。また、様々なメディア作品に登場しており、一般に広く知られています。

このように、軽装甲機動車は自衛隊の重要な装備として多様な運用がなされており、今後の発展にも期待されています。

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