輝け潮流

「輝け潮流」（かがやけちょうりゅう）は、かつて日本のプロ野球界、パシフィック・リーグに所属していたオリックス・ブルーウェーブ（現在のオリックス・バファローズ）が公式に使用した応援歌です。この楽曲は1991年（平成3年）に制作・発表されました。

その誕生には、球団の大きな転換期が背景にありました。1990年（平成2年）、オリックス・ブレーブスは長年本拠地として使用してきた西宮球場から、兵庫県神戸市に新設されたグリーンスタジアム神戸への移転を決定します。この移転と時を同じくして、球団はファンから新しいチーム愛称を公募しました。数多くの応募の中から選ばれた新たな愛称が「ブルーウェーブ」です。この名称には、港町神戸の美しい「ブルー」の海をイメージさせるとともに、プロ野球界に「ウェーブ」（新しい潮流）を生み出そうという、球団の革新的な願いが込められていました。

「輝け潮流」は、この新しい愛称と本拠地の誕生という流れを受けて、翌1991年シーズンより使用開始された楽曲です。作詞は、オリックスの前身である阪急ブレーブス時代の1976年（昭和51年）にも「ああ! 王者」や「カッチャカッチャ阪急」といった応援歌を手がけた実績を持つ、伊藤アキラ氏が担当しました。作曲と歌唱は三井誠氏が務めています。球団はオリックスとなった初年度の1989年（平成元年）に、それまでの応援歌とは趣を異にする児童合唱による応援歌「問題ないね。」を発表していましたが、「輝け潮流」では、応援歌としてより一般的でオーソドックスな曲調へと回帰しています。

この楽曲は、当時のチームの象徴として多くのファンに親しまれました。特に、野茂英雄投手やイチロー選手といったスター選手が活躍した時代を彩った曲の一つと言えるでしょう。1994年（平成6年）には、イチロー選手がプロ野球史上初のシーズン通算210安打という金字塔を打ち立てたことを記念して日本コロムビアから発売されたイメージソングシングル「リトル☆ネプチューン」に、カップリング曲として収録されたことでも知られています。

球場での使用状況としては、主にラッキーセブン（7回裏の攻撃前）において、ファンが一体となって歌い、チームを鼓舞するために演奏されていました。しかし、1999年シーズンをもってその役割を終え、2000年シーズンからは球団が消滅する2004年まで、「ビクトリーマーチ」（歌唱：マリンサイド・ウォーカーズJR.）が代わりに演奏されることとなります。

2005年、オリックス・ブルーウェーブは大阪近鉄バファローズと球団合併し、現在のオリックス・バファローズが誕生しました。この新球団の発足に伴い、「輝け潮流」や「ビクトリーマーチ」といったブルーウェーブ時代の応援歌は引き継がれず、MEGA STOPPERによる新たな球団歌「SKY」が球場でのメインテーマとして使用されるようになり、「輝け潮流」は球団の歴史を語る上で記憶される楽曲の一つとなりました。

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