輪島大士

輪島大士の生涯

輪島大士（わじま ひろし）、本名は輪島博。1948年に石川県七尾市に生まれ、2018年に亡くなるまでの70年間、主に大相撲界で輝かしいキャリアを築いた。1966年に金沢高等学校から日本大学に進学し、同校の相撲部で数々の栄冠を手にした。大学時代には2年連続で学生横綱に輝くなど、その実力を証明した。

転機となる初土俵

1970年、大相撲の花籠部屋に入門し、同年1月場所で幕下に昇進。翌年には十両、さらに瞬く間に新入幕。彼の成長は目覚ましく、1972年には貴ノ花との対戦を制して大関に昇進。この際、四股名を「輪島博」から「輪島大士」へと変更した。輪島は1973年に横綱に昇進し、学士・本名横綱としての独自性を持つ力士として名を馳せていく。

輪湖時代とライバル関係

1976年から1977年には、北の湖との間に「輪湖時代」を築く。「昭和の大横綱」と呼ばれる北の湖とは通算成績こそ接近していたものの、名勝負を繰り広げた。それぞれが栄光を手にしたが、この時代には名勝負が多くあり、特に1976年と1977年の成績が素晴らしかった。

これらの中では、千秋楽となる結びの一番に輪島と北の湖が対戦することが多く、両者の顔合わせは観衆を熱狂させた。特に輪島は、全勝優勝や優勝決定戦を制することも多く、その取り口には圧倒的な存在感があった。

趣味とライフスタイル

輪島は私生活においても派手なライフスタイルが特徴的で、「蔵前の星」や「黄金の左」といったニックネームを持ち、外見や行動に不敵さを見せていた。また、トレーニングにおいては異例のランニングを取り入れ、相撲を取るために生まれてきたような力士として映った。

引退とその後

1981年に引退した後は、花籠部屋を継承。しかし、その後の不祥事が尾を引き、1985年には廃業、相撲界を去ることとなった。廃業後は全日本プロレスに転身し、台風の目となった。アメリカ遠征を経て、1988年にはプロレス界からも引退。

メディア活動と晩年

その後はテレビタレントとして活躍し、『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』などへの出演でファンの印象に残る存在となる。晩年は健康問題に悩まされながらも、相撲界に貢献し続けた。2013年に下咽頭癌が見つかり、2018年に肺がんと咽頭がんの合併症で亡くなった。葬儀には数多くの相撲関係者が参列し、彼の功績を称えることとなった。

輪島大士の影響

輪島の存在は、相撲界に多大な影響を与えた。特に、彼の独特の取り口や価値観は後の力士たちにも影響を及ぼし、「下手投げでも、根こそぎ投げるから構わない」という彼の言葉は、多くの力士に勇気を与えた。彼の個性的なキャリアと力士としての姿勢は、後の世代の力士にも大きな影響を与え続けるだろう。

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