轟夕起子

轟夕起子について

轟夕起子（とどろき ゆきこ）は、1917年に生まれ、日本の女優として広く知られています。本名は西山都留子（にしやま つるこ）で、宝塚少女歌劇団において娘役として輝かしいキャリアをスタートさせました。彼女は、宝塚歌劇団の21期生であり、同期には初代・糸井しだれや水間扶美子、打吹美砂などがいました。轟は、その特異な日本的な美しさから人気を集め、主演娘役として多くの舞台で活躍しました。

彼女の女優生活は特に映画界での成功で知られています。昭和12年（1937年）、日活映画『宮本武蔵 地の巻』の暖かいお通役に選ばれたことで、映画界に華々しくデビューしました。この引き抜きは当時の驚きと注目を集め、轟夕起子は収入面でも才能を認められました。特に、彼女の演技力や表現力は高く評価され、映画監督の黒澤明が手掛けた『姿三四郎』ではヒロインとして抜擢され、作品の成功に寄与しました。前述の作品に加え、『ハナ子さん』の主題歌「お使いは自転車に乗って」もヒット曲となり、轟の名は次第に広がりました。

しかし、彼女の女優としての生活には試練もありました。映画業界が新たなスターを生み出す中で、轟は次第に脇役へとシフトしていきました。加齢やその影響で容姿が変わる中、彼女は戦後も飲食店のママ役や霊的な役柄で多彩なキャラクターを演じ続けました。昭和30年代には、古巣の日活との専属契約を結び、多くの作品に出演し続けることで、その根強い人気を保ちました。

轟夕起子の私生活もまた波乱万丈でした。映画監督マキノ正博との結婚や、島耕二との再婚、さらには離婚を経験しました。彼女の息子は沖縄アクターズスクールの校長であるマキノ正幸です。私生活においても、轟は浮き沈みを経験しながら生き抜いてきました。

晩年には『男の紋章シリーズ』で母親役を演じ、ドラマの中心的な役割を果たしました。しかし、1967年5月11日に彼女は49歳の若さで閉塞性黄疸のために命を落としました。彼女の死は、多くのファンにとって大きな悲しみでした。

轟夕起子の功績は、彼女が亡くなってからも色褪せることはありません。2014年には宝塚歌劇団創立100周年記念として設立された宝塚歌劇の殿堂に初めて名を刻む栄誉を受けました。彼女は名だたるタカラジェンヌの中でも早世した人物の一人として記憶されています。

結論

轟夕起子は、宝塚少女歌劇団から映画界へと独自の足跡を残した女優です。彼女の多才な演技は、現在でも多くの人々の心に残り続け、数々の名作に名を連ねています。彼女の人生は、舞台や映画の中で常に多くの人に感動を与えたことでしょう。また、私生活でも数々の経験を経て、波乱に満ちた人生を送りました。彼女が残した業績とその演技は、今なお色あせることなく若い世代にも広く知られています。

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