辰野千寿

辰野千寿

辰野千寿（たつの ちとし、1920年5月31日 - 2016年1月20日）は、日本の著名な教育心理学者であり、筑波大学と上越教育大学の名誉[[教授]]を務めました。

生涯

1920年（大正9年）に長野県上伊那郡西春近村（現在の伊那市）に生まれました。旧制伊那中学（現在の長野県伊那北高等学校）を経て、1944年に東京文理科大学心理学科を卒業しました。その後、愛知青年師範学校教授、東京文理科大学助手などを経て、1955年に東京教育大学助[[教授]]に就任しました。

1961年には、「学習における禁止及び促進の研究」で東京教育大学から文学博士号を取得しました。1967年に教授に昇進し、1973年には筑波大学副学長に就任しましたが、1976年に辞任しました。1978年には上越教育大学学長に就任し、1990年に退官しました。退官後、勲三等旭日中綬章を受章しました。また、応用教育研究所長、学校教育研究所理事長なども歴任しました。

2016年1月20日、原発不明腫瘍のため逝去。95歳でした。歿後に従三位が追叙されました。

業績

辰野千寿は、学習心理学、教育心理学の分野で多くの業績を残しました。特に、学習における禁止と促進、能率的な学習方法、問題解決の心理学などに関する研究は、教育現場に大きな影響を与えました。

著書

辰野千寿は、数多くの著書を執筆しました。以下に代表的な著書を挙げます。

『児童の学習 文献を中心として』 (1950)
『学習心理学』 (1953)
『遡及禁止の研究』 (1957)
『能率的学習の心理』 (1960)
『能率のあがる勉強法』 (1961)
『勉強の新しい作戦 成績のあがる科学的勉強法』 (1963)
『教育心理学』 (1966)
『時間設計学』 (1967)
『問題解決の心理学』 (1970)
『学習心理学総説』 (1973)
『学習意欲の高め方』 (1977)
『考える力の伸ばし方』 (1978)
『学習指導の心理学』 (1981)
『教室の心理学』 (1985)
『学習心理学』 (1994)
『学習方略の心理学 賢い学習者の育て方』 (1997)
『学び方の科学 学力向上に生かすAAI』 (2006)
『科学的根拠で示す学習意欲を高める12の方法』 (2009)

これらの著書は、教育関係者や心理学に関心のある人々にとって、貴重な情報源となっています。

共編著

辰野千寿は、他の研究者との共編著も多数発表しています。

『入門心理実験法』(1954)
『発達心理学概説』(1955)
『青年心理学』(1957)
『ほめ方・しかり方の心理学』(1958)
『非行生徒の心理と指導』(1963)
『幼児期の心理と教育』(1967)
『知能の心理学』(1968)
『教育心理学原論』(1975)
『教科学習の心理学』(1978)
『多項目教育心理学辞典』(1986)
『学習指導用語事典』(1987)

論文

辰野千寿は、多数の論文も発表しており、学術的な貢献も大きい。

「青年期における社会性」 (1948)
「学習と疲労」 (1950)
「学習の心理と指導」 (1950)
「能率的学習の心理」 (1953)
「知能と道徳意識」 (1953)
「記憶的学習」 (1958)

人物

辰野千寿は、温厚で誠実な人柄で知られていました。教育者としても、研究者としても、常に真摯な姿勢で臨み、多くの人々から尊敬を集めていました。

参考文献

『長野県人名鑑』信濃毎日新聞社、1974年
* 大泉溥 編『日本心理学者事典』クレス出版、2003年

辰野千寿の業績は、今日の教育心理学の発展に大きく貢献しており、その影響は今後も長く続くことでしょう。

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