辻本豪三

辻本 豪三（つじもと ごうぞう）

辻本豪三は1953年2月生まれの日本の薬理学者であり、特に生物系薬学の研究で知られています。元京都大学薬学部の教授で、ゲノム創薬の第一人者としても名を馳せています。
彼は奈良県に生まれ、1978年に北海道大学医学部を卒業後、淀川キリスト教病院や東京女子医科大学脳神経センター、さらには東京国立病院での実務に没頭しました。また、アメリカのスタンフォード大学での留学も経験し、その後、1984年には山梨医科大学の薬理学教室に助手として赴任しました。

1985年には信州大学から医学博士を取得し、「Desensitization of β-adrenergic receptor-mediated vascular smooth muscle relaxation」と題する研究で名を馳せました。その後、彼は1989年に文部科学省の在外研究としてアメリカ国立衛生研究所と国立がんセンターに派遣され、続いてメリーランド大学ボルチモア校で招聘教授として活動を続けました。

1991年から1992年にかけて、国立小児病院の小児医療研究センターを経て、2002年に京都大学大学院薬学研究科の教授に就任しました。

研究活動と業績

辻本の研究の中心は、ヒトゲノムの解析に基づいた新しい薬物療法の開発にあります。特に彼のゲノム創薬の取り組みは、テーラーメード医療の実現を目指しており、腎炎の進行に寄与する酵素の特定や肥満の原因遺伝子の発見など、幅広い分野で成果を上げています。これらの研究は現代の医療において重要な意味を持ち、患者一人ひとりに適した治療法を提供する手助けとなっています。

退職と法的問題

辻本は2012年6月に一身上の都合により京都大学を退職しましたが、その後の7月末に物品購入に関する収賄疑惑で逮捕されました。2014年には懲役2年と940万円の追徴金を言い渡され、控訴の結果、懲役1年8ヶ月に減刑されました。この事件により、彼は京都大学から懲戒解雇相当の処分を受け、さらには約1億5000万円の損害賠償を求められる事態に発展しました。

著書

辻本は多くの著書を執筆しており、釋酒業界や医療実況にも寄与しています。

• - 単著

- 『α交感神経受容体の分子治療学―遺伝子から機能へ』、メディカルレビュー社、1997年

• - 主な共編著

- 『21世紀の創薬科学』、共立出版、1998年
- 『ゲノム創薬―創薬のパラダイムシフト』、中山書店、2001年
- 『わかる! 使える! DNAマイクロアレイデータ解析入門』、羊土社、2002年
- 『標準医療薬学 薬理学』、医学書院、2009年

結論

辻本豪三は、薬理学とゲノム創薬の分野で顕著な貢献を果たした一方、不正問題によって波乱に富んだ経歴を持つ研究者として知られるようになりました。彼の業績は、多くの専門家や研究者に影響を与え続けています。

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