辻本賢人

辻󠄀本賢人について

辻󠄀本賢人（つじもと けんと）は、1989年1月6日生まれで、兵庫県芦屋市出身の元プロ野球選手です。彼は、NPB（日本プロ野球）で活動した選手の中で、2024年シーズン終了時点で唯一「昭和64年」生まれの選手となります。彼の野球に対する情熱と挑戦の生涯は、多くの人々に影響を与えてきました。

来歴

辻󠄀本は中学1年生の時に野球を一時断念し、単身でアメリカに留学しました。そこでアメリカンフットボールに挑戦するも、しばらくしてから再び野球を始め直しました。彼は米国での経験をきっかけに驚くほどの球速を持つようになり、再び野球に情熱を注ぎました。

2004年には、カリフォルニア州のマター・デイ高等学校で日本の義務教育に当たる9年生課程を修了しました。秋には阪神タイガースから8巡目指名を受け、プロ入りを果たしました。彼は当時15歳という若さでの指名でしたが、両親がその意思を強く支えたことが選手としての土台を築くことになりました。

プロ入り後の2005年には、ウエスタン・リーグで5試合に出場しましたが、防御率は11.37と苦しみました。翌年の2006年には、基礎作りに専念する意向があったため、実戦登板はありませんでした。2007年には二軍で9試合に出場し、防御率3.24を記録し、少しずつ結果を出していきました。

2008年には再び二軍で11試合に投げ、防御率3.65を記録。そのオフに保留選手名簿から外れ、育成選手契約となりました。2009年にはキャンプ前に右腰を疲労骨折し、登板の機会がなくなり、10月には戦力外通告を受けました。この時期のトライアウトでは厳しい評価が下され、「球が遅過ぎる」との指摘を受けます。

独立リーグでの躍進

2010年2月、彼は藪恵壹のアドバイスでアメリカに渡り、トレーニングに励みます。4月には独立リーグのトライアウトを受け、146km/hという新たな球速を記録し、マウイ・イカイカからドラフト1位で指名を受け入団しました。この年、彼はサイドスローにフォームを変更し、94mph（約151km/h）まで球速を上げることに成功しました。

2011年にはタンパベイ・レイズのトライアウトに挑戦し、3者連続三振を奪う活躍を見せましたが、合格には至りませんでした。しかし、元日本ハムファイターズのスカウトからの後押しにより、ニューヨーク・メッツとマイナー契約を結ぶことになります。メッツに所属中、彼は右肘を故障し、手術を受けることに。

引退後の生活

2013年5月、メッツを自由契約となり、帰国後の2015年に結婚しました。その後は野球から離れ、翻訳家として新たな道を歩み始めました。東京を中心に日本の雑誌記事を英訳し、海外とのやり取りが多い職業に就いています。また、外国人のアテンドやコーディネートなども手掛けています。早朝4時に起きるライフスタイルを送りつつ、充実した生活を送っています。

彼のキャリアは、プロ野球選手としての道を経て、異なる職業に挑戦する姿勢を示しています。

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