近江学園

近江学園の歴史と活動

近江学園（おうみがくえん）は、滋賀県湖南市に位置する知的障害児や孤児のための支援施設です。この施設は1946年に糸賀一雄、池田太郎、田村一二の3人によって設立されました。当初は、戦争による孤児たちを受け入れることを主な目的としていましたが、次第に親の元を離れた子どもや障がいを持つ子どもたちも入所してくるようになりました。

施設の設立と発展

近江学園の初期には、戦争孤児の他にも様々な背景を持つ子どもたちが多く入所しました。施設の文献によると、一部の子どもたちは、戦争孤児としての同情を引くために偽りの申告をしていたことも確認されています。また、当時の大津市で米兵との間に生まれた混血児も入所していたことが記録されています。1960年代に入ると、戦争孤児の入所者数が減少し、施設は障がい児を含む一般的な養護施設へとシフトしていきました。

歴史的な出来事

近江学園は設立以来、多くの重要な歴史的出来事を経験しています。1948年には児童福祉法が施行され、県立の児童福祉施設として正式に認められました。1952年には信楽寮を設け職業訓練を開始し、ここから信楽焼の職人を多数輩出しました。その後、1953年には「あざみ寮」が設立され、「あざみ織り」の生産を行い、全国にその名を広めました。

1960年には糸賀が欧州の施設の視察を行い、そこで得た知見をもとに療育の質をさらに向上させました。1963年に「この子らを世の光に」というモットーの下、全ての子どもたちに発達の権利を保障することを訴え、重症心身障害者施設である第一びわこ学園を設立。ここでは、近江学園での経験をもとに、専門的な療育が行われました。

現在の取り組み

その後、さらに多くの療育施設が設立され、愛知郡愛東町には「茗荷村」と呼ばれる里親制度を支援する地域も設けられました。1971年には近江学園が湖南市に移転し、ここでも引き続き地域社会への貢献を目指した様々な活動を展開しています。

アクセスと所在地

近江学園の住所は、滋賀県湖南市東寺1055-2で、アクセスはJR草津線の石部駅から市内循環バス「めぐるくん」に乗車し、約15分後の「近江学園」バス停で下車後、徒歩5分となっています。また、名神高速道路の栗東インターチェンジからもアクセス可能です。

このように近江学園は、設立から数十年にわたり、子どもたちの権利保障や福祉の向上に努めてきました。近年ではその活動が注目され、公式サイトでは様々な情報が発信されています。

もう一度検索