近畿東海放送

近畿東海放送の歴史と沿革

近畿東海放送（きんきとうかいほうそう）は、1953年から1959年の間に三重県を主な放送地域としたAMラジオ放送局です。この放送局は、東海ラジオ放送を構成する前身のひとつとして知られています。

設立と初期の運営

この局は1953年10月に設立され、同年12月10日には本格的な放送を開始しました。当初は「ラジオ三重」という名前で、コールサインはJOXR、出力は500Wと設定されていました。放送周波数は860kHzでしたが、1954年には1kWに増力し、より広範なエリアに放送することに成功しました。ここから、全国高校野球選手権三重大会や中日ドラゴンズ戦など、スポーツ中継も行うようになりました。

名称変更と発展

1957年には、近畿地方と東海地方の中間に位置する放送局であることを強調するため、局名を「近畿東海放送」（略称KTB）と変更しました。この変更は、地域の特色や意識を高めるための戦略であり、それによってリスナーとのつながりを深めることを目指していました。

合併と次のステップ

1959年には、岐阜県のラジオ東海（略称RTC）と合併し、東海ラジオ放送という新たな名前でスタートします。この合併により、名古屋市にラジオ放送局を開設する機会が得られ、放送の多様性と質が向上しました。しかし、新会社の名古屋親局が開局した1960年には、津放送局は閉局することとなり、その後の運営は東海ラジオ放送三重支局として続けられました。

現在の状況

現在、三重県内では、東海ラジオ放送の中継局が尾鷲市と熊野市、伊賀市に設置されています。中でも上野放送局は近畿東海放送時代からの歴史を持ち、コールサインJOXOを引き継いでいますが、その後の運営内容により現在は中継局として機能しています。

放送局としての影響

近畿東海放送が放送していた当時、その放送内容は地域コミュニティにおいて不可欠な情報源として位置付けられ、多くのリスナーから支持を集めました。また、地元のイベントやスポーツ中継を通じて、地域経済にも大きな影響を与えたと言えるでしょう。この局の貢献は一過性のものでなく、東海ラジオ放送に受け継がれ、さらには三重テレビ放送の開局にも寄与するなど、放送メディアの発展に寄与しました。

近畿東海放送の歴史は、地域に密着した放送局としての成長と、その後の合併による発展の過程を示す重要な一章です。現在その地で放送できることは、当時のリスナーや関係者の努力の結晶と言えるでしょう。

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