近藤勝也

近藤勝也：ジブリ作品を彩るアニメーション界の巨匠

近藤勝也氏は、1963年愛媛県新居浜市生まれのアニメーター、キャラクターデザイナー、イラストレーター、そして漫画家である。長野県を拠点にフリーランスとして活動する彼は、スタジオあんなぷる、スタジオジブリに所属していた経験を持つ。

ジブリ作品の中心人物として

近藤氏といえば、その圧倒的な画力と、生き生きとしたキャラクター表現がまず挙げられる。スタジオジブリ作品において中心スタッフとして長年活躍し、数々の名作に貢献してきた。繊細なタッチで描かれる人物は、上品さと色気を兼ね備え、見る者の心を掴んで離さない魅力に溢れている。

彼の才能はアニメーションにとどまらない。CMやゲーム作品など、多岐にわたる分野でキャラクターデザインや設定などを手掛け、その才能を発揮している。漫画の連載や小説の挿絵、広告イラスト制作など、表現方法も多様で、常に新しい挑戦を続けている。

特に『崖の上のポニョ』では作画監督を務めただけでなく、主題歌の作詞も担当した。ポニョのキャラクターデザインには、近藤氏の長女がモデルになっているというエピソードも興味深い。

アニメーターとしてのキャリア

アニメーターを目指したきっかけは、安彦良和氏への憧れから始まったという。その後、宮崎駿氏や大塚康生氏への傾倒を深め、テレコム・アニメーションフィルムを目指したが、入社試験で不合格となる。その後、東京デザイナー学院を経て、スタジオあんなぷるに入社。大塚伸治氏に師事し、『キャッツ♥アイ』の原画、『マイティ・オーボッツ』のキャラクターデザインを担当するなど経験を積む。

1985年、スタジオジブリの『天空の城ラピュタ』に参加するため、スタジオあんなぷるを退社しフリーとなる。そして、『魔女の宅急便』で初めて作画監督とキャラクターデザインを務め、スタジオジブリにおける重要な役割を担うようになる。1990年にはスタジオジブリの社員となり、『雲のように風のように』でキャラクターデザインと作画監督を務めるなど、活躍の場を広げていった。

その後、スタジオジブリを退社してフリーランスとなるが、数々のジブリ作品に携わり続け、近年では3DCGアニメーションにも挑戦。2014年の『山賊の娘ローニャ』ではセルルックの3DCG、2020年の『アーヤと魔女』ではフル3DCGのキャラクターデザインを担当している。

多彩な活動

近藤氏の活動は多岐に渡る。テレビアニメ、劇場アニメへの参加はもちろんのこと、OVA、Webアニメ、ゲーム、CMなど幅広い分野で活躍している。特にジブリ作品への貢献は目覚ましく、『おもひでぽろぽろ』、『崖の上のポニョ』、『コクリコ坂から』など、数々の作品に携わった。

また、2022年にはディズニー公式動画配信サービスDisney+で配信されたスタジオジブリとルーカスフィルムのコラボショートムービー『禅 グローグーとマックロクロスケ』の監督を務めるなど、近年も精力的に活動している。

さらに、自身の出身地である愛媛県新居浜市ではふるさと観光大使を務めており、地元への貢献も忘れない。2012年と2018年には同市で「ジブリの動画家 近藤勝也展」が開催され、その幅広い作品群が展示された。

近藤勝也氏は、類まれな才能と情熱でアニメーション界に多大な貢献をしてきた。これからも彼の活躍から目が離せない。

もう一度検索