近藤用可

近藤用可の生涯とその系譜

近藤用可（こんどう もちよし）は、江戸時代初期に活躍した大身旗本です。彼は近藤秀用の次男で、5000石を父から分知されました。用可は「五近藤家」の一つである気賀近藤家の祖として知られています。彼の生涯は、多くの歴史的出来事に関与し、特に大坂の陣においての功績が顕著です。

初期の生活と仕官

天正10年（1582年）、用可は近藤秀用の次男として生まれ、幼少期から家名の重圧を背負って育ちました。若い頃、彼は結城秀康や松平忠直父子の家臣として仕官し、将来を模索しました。仕官していた時期に彼は多くの武士たちとの交流を深め、将来の戦に備えた様々な経験を積むことになります。

大坂の陣と戦功

慶長20年/元和元年（1615年）、大坂の陣が勃発した際、用可は父の要請により幕府直臣として召し出されました。この時、彼は浜松で徳川秀忠に拝謁し、大坂夏の陣においては父と共に従軍しました。特に天王寺口の戦いでは、彼は二つの首級を挙げる戦功を収めました。

戦後、父から5000石余を分知され、また鉄炮足軽50人を預けられ、次第に彼の存在は大名家において重要な地位を占めるようになります。

知行地の移動と上使への任命

元和5年（1619年）、父・秀用が旧領である遠江国井伊谷周辺に移封されたことに伴い、用可も同地域に知行地を移されました。この移動により、用可はより多くの土地を管理し、名声を高めていきます。

さらに、元和8年（1622年）には、越前国への上使としての任務に赴くことになります。この任務は、用可がかつて仕えた北荘藩主・松平忠直の病気を見舞うもので、彼は越前を訪問しました。しかし、帰路において相模国大磯で落馬し、2月10日に41歳でこの世を去りました。彼の死は突然であり、多くの人々に惜しまれました。

翌代への家督継承

用可の死後、家督は嫡男の近藤用治が継ぎました。寛永元年（1624年）、用治は庶兄の近藤用行に分知を行い、この時点で用治が3000石、用行が2000石を領することとなります。その後、用治は気賀に陣屋を設けたことで、家は「気賀近藤家」として知られるようになりました。

系譜とその後の子女

子女については、『寛政譜』に記載されており、用可には長男の近藤用行、二男の近藤用治をはじめ、数人の子女がいました。特に長男の用行は別家を立て統治者として活躍し、家系が多様化していく様子が伺えます。

用可の正妻は小栗美作守の娘であり、家族の結びつきも強固でした。用治は多くの家族と関係を持ち、特に二女が嫁いだ由良忠繁は高家由良家の当主となり、家計の繁栄を促進しました。

結論

近藤用可の生涯は、武士の典型的な姿勢を体現し、歴史の流れに影響を与えました。彼の後継者たちは、彼から受け継いだ名声をもとに、現在まで息づいている家系を築いています。彼の功績と遺産は、現代にも語り継がれるべきものでしょう。

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