近藤英子

近藤英子氏は、1942年高知県生まれの日本の実業家であり、著名な馬主としても広く知られています。

かつては華やかな舞台の世界に身を置き、OSK大阪松竹歌劇団に所属していた経歴も持ちます。その後、大阪府で近藤利一氏と出会い結婚。夫婦で合建株式会社を創業し、代表取締役社長として、解体工事会社を経営するなど、ビジネスシーンでも成功を収めました。のちに利一氏と離婚されていますが、その経験も彼女の人生に深みを与えていると言えるでしょう。

近藤英子氏のもう一つの顔は、数々の名馬を所有する馬主です。1991年に馬主資格を取得して以来、数多くの競走馬を所有し、日本の競馬界に大きな足跡を残しています。その所有馬たちは、数々の重賞競走、そしてGI競走で勝利を収め、競馬ファンを魅了してきました。

彼女の勝負服は、水色を基調としたデザインで、元夫である利一氏の勝負服とよく似たデザインであることが知られています。しかし、馬の選び方や所有馬に対するスタンスは、利一氏とは異なる点が見て取れます。

利一氏が競売で多くの馬を購入するのに対し、近藤氏は競売での購入は比較的少なく、所有馬の多くは繁殖牝馬から生まれた仔馬たちです。その理由について、近藤氏は「生まれた子供たちが成長していくのを見るのは、まるで物語を紡いでいるような楽しみがある」と語っています。これは、単に競走馬を所有するだけでなく、それぞれの馬の成長や歴史に深い愛情と関わりを持ち、その過程を大切にしていることを示しています。

特に、2009年にカンパニーがマイルチャンピオンシップを制した際には、日本馬主協会連合会理事であった利一氏からメダルが授与され、2人は抱き合って喜びを分かち合う場面もありました。このエピソードは、元夫婦である2人が、競馬という共通の趣味を通して絆を深めていることを物語っています。

近藤英子氏が所有した主な競走馬には、GI級競走を制覇したカンパニー（天皇賞・秋、マイルチャンピオンシップなど）、ヴィクトリー（皐月賞）、そして数々の重賞競走で勝利したレニングラード（アルゼンチン共和国杯）、リンカーン、ヒストリカル、アンビシャス、アドミラブル、アリストテレスなどが挙げられます。これらの馬たちは、近藤氏の馬主としての成功を象徴する存在であり、彼女が長年にわたって築き上げてきた実績を物語っています。

さらに、近藤氏はヴィクトリーやリンカーンの母であるグレースアドマイヤなども所有しており、繁殖牝馬の仔を大切に育て、その血統を繋いでいくことに情熱を注いでいることが分かります。これは、彼女が単に勝利を目指すだけでなく、競走馬とその血統を尊重し、未来への投資を続けていることを示唆しています。

近藤英子氏の人生は、華やかな舞台からビジネスの世界、そして競馬の世界へと、常に挑戦と変化を繰り返しながら歩んできたと言えるでしょう。その過程で培われた経験と、競走馬への深い愛情は、彼女を日本の競馬界を代表する馬主の一人へと導きました。今後も彼女の活躍から目が離せません。

もう一度検索